ウクライナとロシアの戦争で、ウクライナへの全面支援を継続したいと望んでいるバイデン大統領の意向を議会が阻んでいるのが、メキシコから米国に密入国しようとする不法移民問題である。
彼らの集合地点はグアテマラとの国境近くの都市タパチュラ。(Tapachula)。中米諸国エルサルバドル、ニカラグア、グアテマラそしてキューバ、ベネズエラといった諸国から米国への入国を望んで集結するのがこの都市である。国ではまともに稼げるための職場がなく貧困に喘いでいる彼らは米国に入国すれば何とか職場は見つけることができると思っているのである。
大勢で移動すれば道中、被害にあう可能性がなくなる。一方、ひとりや僅か数人の移動だと途中追いはぎ、ギャング、マフィアと言った暴力組織に襲われる可能性が高い。しかも、警察も不法移民者が数人だと逮捕して本国に送還させようとする。しかし、大勢が行列を組んで行進すれば数人の警察官だと敢えて逮捕しようとはしない。
米国はメキシコ政府に対しグアテマラとの国境で入国を抑えるように要求しているが、メキシコ政府はそれに十分に応えようとしない。
更に米国にとってメキシコ政府は麻薬の密輸入についても協力姿勢が不足しているので不満をもっている。そのせいで米国では年間1万人が麻薬の過度の接種で死亡している。特に、最近は麻薬フェンタニルがメキシコ経由で米国に密輸入されており多大の被害を米国は受けている。