ドイツ南部バイエルン州の州都ミュンヘンで16日から3日間、「ミュンヘン安全保障会議」(MSC)が開催され、50人以上の国家元首、政府首脳たちが集まった。同会議では戦争や地域紛争の対策などについて話し合われたが、今回の主要テーマはウクライナ戦争そしてイスラエル軍とパレスチナ自治区ガザのイスラム過激テロ組織「ハマス」との中東紛争問題だ。
ウクライナからはゼレンスキー大統領が参加したが、ロシアからは政治家の参加はなかった。中東紛争問題ではイスラエルからヘルツォグ大統領、パレスチナ自治区政府からシュタイエ首相のほか、エジプト、ヨルダン、カタールから政府関係者がミュンヘン入りした。米国からはハリス副大統領が参加し、17日演説した。
MSCはスイスの世界経済フォーラム(通称ダボス会議)の軍事・安全保障会議版と呼ばれ、世界から元首・首脳級の参加者を集めて戦争、地域紛争地などの諸問題について話し合う。MSCでは政治文書や声明文を採択するということはなく、あくまでも純粋な討議、意見の交換の場だ。今年で既に60回目を迎えた。
ゼレンスキー大統領は16日、MSC開幕直前にベルリン入りし、ショルツ独首相と会談、ウクライナとドイツ両国間の安全保障協定に署名。その直後、パリに飛び、マクロン大統領と会合し、ウクライナ・フランス間の安全保障協定を締結した。そして17日、ミュンヘン入りし、MSCでウクライナ戦争の現状を報告し、欧米諸国に武器の供与を強く要請した。
ゼレンスキー大統領やショルツ首相はプーチン大統領が世界の民主主義に如何に危険かをアピールし、ウクライナへの武器供与の重要性を訴えた。また、オランダのルッテ首相、ノルウェーのストーレ首相、欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン委員長らは参加者との討論会でウクライナ支援の継続を強調していた。