① 不要な財政赤字は一切出さない
② 利上げは行わない
ここで参考になるのは、第2次世界大戦後の政府債務の棒引き政策である、インフレタックス政策である。
戦費で政府債務がGDPの2.6倍まで拡大した英国は、インフレタックスの断行を決断し、期待インフレ率を6%程度にコントロールしながら、短期金利は約7年間0.5%に据え置き、さらに、政府債務残高が必要以上に拡張しないように財政コントロールを行い、名目GDPを10,000百万ポンドから約20年後の1964年には35,000百万ポンドまで増加させて、政府債務残高もGDPの0.9倍まで縮小させることに成功している。
この間、ポンドは1/4程度に減価しているが、政府と中銀の連携によって、インフレを発散させず、景気も失速させずに、政府債務コントロールに成功した事例となった。
いま、日本も政府債務残高が名目GDPの2.6倍まで達し、まさしく、当時の英国と同じ状態に陥っており、ここから、10年程度の政府と日銀のタッグは、現在のアメリカの様に失敗してしまうのか、戦後の英国の様に成功できるのかの大きな分岐点である。
やらなければならないことは、① 不要な財政赤字は一切出さない、② 利上げは行わないと、そして、これを実践するためには次の事も必要である。