ビジネスでもそうですが自分の思い通りにならないことはあります。よってfail safe (失敗時の安全策)のback up plan(代替案)は用意するべきなのでしょう。日本、カナダ、メキシコは影響が大きいと思います。その密着度が高いからです。基本的にはトランプ氏の言うなりになるので振り回される覚悟は必要です。特に経済と安全保障、東アジア外交には大きな影響が出ます。
経済は輸出関税を要求されそうです。問題は中国が60%で他国が10%である場合、中国はすでに行っているう回輸出を強化するはずです。アメリカがそれを見過ごすかどうかで変わるでしょう。USMCA(アメリカ、カナダ、メキシコの貿易協定)はトランプ氏が作っただけにこれには手を付けない可能性があるのでカナダとメキシコからのう回輸出が激増するかもしれません。とくに中国はメキシコに多額の直接投資をしているので構図が変わるかもしれません。
安全保障はNATOについては上述した通りでロシアとディールをしようと画策しているような気もします。ロシアに恩を売り、その見返りを求めるのです。最大の焦点はイスラエル政策ですが、これはイスラエルへの強力な支援を掲げ、ハマスなどイスラム原理主義に関係する人物のアメリカ入国拒否を既に口にしています。これらの外交政策にアメリカ国内での世論が大きく揺れる公算があります。
東アジア外交については金正恩氏が戦争時には韓国を支配下に置き、統一すると断言したので韓国人の民意が大きく変化するかもしれません。韓国総選挙を控え、中道左派が再び騰勢を増すかもしれません。トランプ氏は「半島のことは半島が決めること」と突き放すこともありうるでしょう。台湾海峡については興味ないと思います。トランプ氏はそれよりも中国の不公平で不平等で不正直な姿勢に対峙するというポジションを取り台湾に焦点を当てた話は二の次にするとみています。
トランプ氏の外交は予想は難しくないのですが、「そこまでするか?」というチカラが人々を圧倒し、唖然とさせ、「出来ないなら…」と厳しい条件を突き付けられることに各国の政治家も自分が傷つきたくないので言いなりになるのです。トランプ氏は人生において後がないのです。プーチン氏とその点は似た者同士にある中での選挙戦だという点がポイントかと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年2月14日の記事より転載させていただきました。
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