■「消防法」と「駐車禁止」を破っている?
二重の意味で「大胆すぎる」光景は瞬く間に話題となり、件のポストは投稿からわずか数日で5,000件近くものリポストを記録。
Xユーザーからは「これ普通に消防法違反ですよね」「『駐車禁止』が読めないのか…」「こういういい加減なところが、本当に嫌です」「消防法もだけど、なぜ駐車禁止の場所に設置するんだ」など、疑問と怒りの声が多数寄せられている。
ポスト投稿主に詳しい話を聞いたところ、件の写真は19日午後、大阪市生野区にあるJR西日本「鶴橋駅」の出口付近で撮影したものと判明。
発見時の心境について、ポスト投稿主は「消火栓があるにも関わらず、乗り物を目の前に駐車するのは『消防法違反になるのではないか』と思いました」「また、JR西日本の管轄の土地でもあるので、『JR西日本はLUUPに許可を出したのか?』と、疑問に感じました」と、振り返っている。
そこで今回はこれら2点の疑問を解消すべく、大阪市消防局、並びに西日本旅客鉄道(JR西日本)に取材を実施することに。その結果、意外な事実が明らかになったのだ…。
21日、記者は同エリアを管轄する大阪市消防局に件のポストを提示し、ことの経緯について説明。そして24日に、同局の担当者から以下の回答が得られた。
まず21日時点では、同局でも今回の状況を「認知してしなかった」と判明。つまり、とある教員さんのポストが投稿され話題となり、記者が取材を打診したことで、初めて「通報」に似た形で情報が共有されたのだ。
大阪市消防局の対応は非常に迅速で、主題を打診した21日の時点で、所轄の消防職員が現場へと直行。結果については、「放水用具の前に電動キックボードのポートが設置されていたのを確認し、鶴橋駅の関係者に指導を行いました」と、説明している。
今回の状態は、「消防の設備等」について定める消防法・第17条第1項に抵触していると明らかになった。
そしてじつは、つい先日も大阪市内で(ほぼ)同様のLUUPによる消防法違反が発覚したばかり。こちらはマンションの「避難器具降下地点」にポートが設置されていた…という、これまたとんでもない事例で、その際にも大阪市消防局が対応に当たっている。
本来、このようなケースでは建物の所有者(今回で言うJR西日本)にのみ指導を行うが、前回同様、今回も「Luup」(企業名)にも指導を行ったそうだ。
その後の経過について、消防局の担当者は「翌22日、消防職員が現地を確認したところ、状態が改善されていました」とも説明している。