【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は22日発表した最新の世界経済見通しで、2024年の世界全体の成長率を3.2%と、前回7月時点の予測を維持した。25年は3.2%と、0.1ポイント下方修正した。日銀の政策金利に関しては、中期的に1.5%程度へ緩やかに引き上げられると予想した。


 IMFのチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は世界経済の先行きについて「下振れリスクが増大している」と指摘。中東情勢などの地政学的リスクや、保護主義の高まりに警戒感を示した。 

 日本の24年の成長率は0.3%と、0.4ポイント引き下げた。認証不正問題による一部自動車メーカーの一時的な生産停止などが響く。25年は、個人消費の増加を受けて1.1%に回復する見通し。

 IMFは日銀の金融政策に関し、従来予想では、利上げの到達点を0.5%程度としていた。7月の追加利上げを受け、大幅に上方修正した。

 米国の24年は2.8%と、強い個人消費や設備投資を背景に0.2ポイント上方修正。一方、ユーロ圏は0.8%と、主要国ドイツの不振に圧迫され、0.1ポイント引き下げられた。

 中国の成長率は0.2ポイント引き下げ4.8%とした。不動産不況が続き、消費者の先行き信頼感も低調だが、想定よりも輸出が堅調で、緩やかな鈍化にとどまる。

 ロシアの成長率は個人消費や投資の鈍化により、25年が1.3%と、24年の3.6%から大きく減速すると見込む。

◇IMFの成長率予測
            2024年        2025年
世界全体    3.2 (0.0)    3.2(▲0.1)
日本      0.3(▲0.4)    1.1 (0.1)
米国      2.8 (0.2)    2.2 (0.3)
ユーロ圏    0.8(▲0.1)    1.2(▲0.3)
中国      4.8(▲0.2)    4.5 (0.0)
インド     7.0 (0.0)    6.5 (0.0)
ロシア     3.6 (0.4)    1.3(▲0.2)
(注)単位%。カッコ内は 7月の前回予測からの変化幅。▲はマイナス
(了)

提供元・Business Journal

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