それもそのはず、監督の風間氏は、これまでと同様に深夜のサッカー中継の解説を務めているし、所属の元代表選手もテレビなどに出演している。

社会人チームであり、ほとんどの選手が他に仕事があるアマチュアであるが故に、全体練習が夜間になってしまうという事情もあるだろう。しかし、クラブの顔であり引っ張るべき存在であるはずの元代表選手が試合にも絡めていない事実を見ると、これらの選手が100%の力でチームにコミットしているとは思えないのだ。

昨2023年には、多くのフォロワーを持つサッカーインフルエンサーが、Twitter(現X)で同年2月に加入した大前を名指しした上で、「南葛SC移籍は事実上の引退」とツイートし炎上(現在は削除)。これに対し、当時現役でこの年限りで引退した同僚FWの長谷川悠が「Jリーグにいた以上に充実した時間を過ごしています」と反論する事態となった。

しかし、Jリーグ、特に清水エスパルス時代(2014-2016)の大前を知るファンなら、現在の彼の丸々とした体型を見れば“事実上の引退”という言葉も、当たらずとも遠からずという印象を与えても致し方無い。この状況を見て、トップである高橋氏とGMの岩本氏は一体何を思うのだろうか。


高橋陽一氏 写真:Getty Images

漫画家を引退した高橋氏

命と同じくらい大事な『キャプテン翼』の版権を岩本氏に預けたが故に、手元には南葛SCしかなくなった高橋氏は、今年、連載の終了を発表し漫画家を引退。現在は鉛筆でのネーム(下書き)のみの執筆に専念している。

一方の岩本氏は、メディア出身だけあってイメージ戦略に長け、周りを惹きつける美辞麗句はお手の物だが、GMとしての役割を果たしているのかと問われればその手腕には疑問が残る。かといって、高橋氏にとっては版権を握られている以上、無下に扱うこともできない。