そんなチームにあってなお大きな存在感を放っているのがDF大畑歩夢だ。今季前半戦は昨シーズンと同様に途中出場がメインとなっていたが、後半戦に入ると定位置を掴みフル出場するゲームも増えた。パリ五輪への出場も果たし、本人にとっては大きな飛躍の年になっている。168cmと小柄ながらも重心を落とした対人守備で安定感を見せ、それでいて攻撃時にはエリア内の状況を見極めたクロスで決定的な場面を作り出せる。左サイドはDF長友の後継者として絶対的な存在が必ずしも決まっていない今の代表で、大畑の成長は待ち侘びたものとなるかもしれない。
畑大雅(湘南ベルマーレ)
今季も残留争いに巻き込まれ、厳しいシーズン終盤を過ごしている湘南ベルマーレ。そんなチームにあって、DF畑大雅の成長ぶりは大きな希望と言えよう。残念ながらパリ五輪メンバーへの選出は叶わなかったが、リーグ戦ではここまで3ゴール4アシストをマーク。怪我で途中離脱があった中でこの数字は、十分高い評価を得るに値する。持ち前のスピード感溢れる攻撃参加や強靭なフィジカルといった派手さが目立つ一方で、ラストパスやシュートは極めて丁寧で多くのチャンスを生み出している。
日本代表が9月シリーズと10月シリーズで3バックを採用した点も、畑を代表へ押せる理由の1つ。湘南も同様に3バックを長く採用するチームであり、ウイングバックとして両サイドで起用可能な畑にとってはチャンスが広がったという見方もできる。もちろん、代表において今回ウイングバックに置かれた選手は左にMF三苫、右にMF堂安律(SCフライブルク)と経験・実績ともに文句なしの選手でありポジションを奪うことは困難だ。しかし、必ずしも本職でない故に、攻撃面だけでなく守備での畑の貢献度は魅力と言えるのではないだろうか。