燃料油価格抑制制度とは
燃料油価格抑制制度とは、2021年11月に閣議決定した追加経済対策「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に盛り込まれた制度です。
コロナ禍から経済が回復すると燃料油の価格は高まる
新型コロナウイルスの影響で停滞した経済が少しずつ回復するタイミングで、ガソリンや灯油といった燃料油の需要は高まります。燃料油の需要増加に伴って原油価格も高騰していくため、経済回復の重荷となる可能性があります。
燃料油価格抑制制度はこうした事態を防ぐための激変緩和措置として制定されました。
卸売価格の抑制による消費者の負担軽減が目的
燃料油価格抑制制度では、燃料油の卸売価格を抑制するための手当てを行うことで、小売価格の急騰を抑制し、消費者の負担を減らすことを目的としています。
消費者に直接補助金を支給する制度ではなく、直接小売価格の値下げを目的とするものでもないということを理解しておきましょう。
価格を抑制する仕組み
国から補助金が支給されるのは、「燃料油元売り会社」といって、石油精製業者や石油輸入業者などです。具体的な元売り会社として、「ENEOS」や「出光興産」、「コスモ石油」などが挙げられます。
元売り会社に補助金を支給することで、燃料油の卸売価格を抑制します。これによって小売価格(=店頭価格)の急騰抑制に繋がります。
全国平均ガソリン価格が170円/Lを超えたら発動
燃料油価格抑制制度を発動するためには、「緩和措置期間中に全国平均ガソリン価格が1リットル170円を超える」という条件を満たす必要があります。
この条件を満たした場合、1リットルあたり5円を上限として、燃料油元売り会社に補助金が支給されます。
条件は4週間ごとに調整される
なお、条件にある1Lあたりの金額は4週間ごとに1円ずつ引き上げられます。支給開始後4週間は170円、翌4週間は171円、翌々4週間は172円、さらに次の4週間は173円と金額が上昇します。
つまり、支給開始から4週間経過した時点で全国平均ガソリン価格が170円だった場合、補助金の支給は終了します。
これは、あくまでこの制度が燃料油価格の「急激な高騰」を抑えるためであって、全国平均ガソリン価格が上昇することは避けられないと想定しているためです。