新天地であるFC東京では、開幕戦でスタメン出場を果たすといきなりの2ゴールをマーク。第2節でも得点を挙げ、まるで水を得た魚のようにシーズン序盤から多くのゴールでチームに貢献している。さらに、しばらく遠ざかっていたパリ五輪世代の代表にも改めて招集されるようになり、五輪予選も兼ねたAFC U-23アジアカップでは準決勝のイラク戦でチームに2点目をもたらすなど日本の優勝と本大会出場に大きく貢献した。
今季は特にシュートの上手さや狭い場所でのキープ力で技術の高さを見せており、鹿島にとっては復調した荒木を簡単に手放したくはないだろう。さらに、出場が減っていたとはいえ長年チームの攻撃を支えたMF土居聖真が今夏J2のモンテディオ山形へ移籍したこともあり、中盤の選手層に厚みを持たせたいことも荒木の復帰が必要と言える要素だ。期限付き移籍で改めて能力の高さを発揮し、国際大会での経験も積んだ荒木。鹿島復権のための重要なピースの1つとしてその去就が注目される。
林尚輝(東京ヴェルディ)
16年ぶりにJ1へ帰ってきた東京ヴェルディに期限付き移籍中のDF林尚輝も、来季鹿島への復帰が望まれる選手の1人だろう。昨年も東京VでJ1昇格へ貢献した守備の要は、今季も開幕からスタメン出場を続けここまでは28試合に出場。現在8位と上位でのフィニッシュを狙うチームで存在感を放っている。
高い危機察知能力を活かしたカバーリングやラインコントロールなど多くのタスクをこなし、クロスやロングボールに対しては空中戦の強さも発揮。鹿島に在籍していた2022年シーズンに続き、2023シーズンも怪我による離脱でゲームに絡めない期間もあったが、今季はコンスタントに出場機会を得ており成長も見せている。
今季鹿島のセンターバックは、昨季に続きDF植田直通とDF関川郁万という鉄板の2枚看板がほぼすべてのゲームに出場。頼れる2人がいる一方で、バックアップという面では人数・経験値ともに足りているとは言えない。だからこそ、今季J1復帰初年度のクラブで存在感を見せる林がチームに帰還するか否かは極めて重要だと言えよう。