日本代表FW中村敬斗はMF伊東純也とともに、スタッド・ランスの主力選手として活躍。FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選のサウジアラビア戦を前に、オーストリア1部LASKリンツからランスへ完全移籍した際の移籍金を巡り、両クラブが法廷闘争を繰り広げていたという。
2019年7月にガンバ大阪からオランダ1部トゥウェンテへ移籍した後、欧州複数クラブを渡り歩いている中村。2022年に行われたカタールW杯の日本代表メンバー落選を巡り疑問の声が挙がる中、2022/23シーズンのオーストリア1部リーグで14ゴール4アシストと結果を残すと、2023年8月にランスへ完全移籍した。
国際サッカー連盟(FIFA)が2024年7月25日に公表した報告書によると、ランスがリンツへ支払う移籍金は800万ユーロ(当時約12億円)だったとのこと。リンツは移籍金の一部が未払い状態だと主張し、ランスを相手取り訴えていた。
しかしFIFAはランスの移籍金支払いに問題がなかったと判断。2024年7月にリンツの訴えを退ける判決を下すとともに、同クラブに1万ドル(約150万円)の訴訟費用などを支払うよう求めたという。
なおリンツはFIFAの判決を不服とした場合、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴することが可能だが、同クラブの対応については10月11日時点で報じられていない。2024年に6月に『株式会社ヤスダグループ』と3シーズンにわたるパートナーシップ契約を結ぶなど、日本企業や日本サッカー界との関係を深めているランスとしては、移籍金の問題によるイメージダウンを避けたいところだ。