その後も2014-2015シーズンにはスペインのラ・リーガ2部のレアル・サラゴサ、2016-2017シーズンには、タイ・リーグ1の強豪ブリーラム・ユナイテッドの監督を務めている。

“東欧のブラジル”と呼ばれた旧ユーゴ出身らしく、攻撃的サッカーを志向し、2018シーズンのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)優勝以来、タイトルから遠ざかっているチームに再び栄冠をもたらすべく、期待を込めて2024年に鹿島に招聘された。


鹿島アントラーズ 写真:Getty Images

直近5年で5回目の監督交代となった鹿島

しかし、鹿島のチーム編成はポポヴィッチ監督の戦術をピッチで表現できる選手を揃えたとは言い難かった。また、選手起用も固定化され、出場機会のない選手との確執も囁かれ、練習の雰囲気が良くなかったことも更迭の要因だったと言われている。

これで、直近5年で5回目の監督交代となった鹿島。2019年にメルカリに買収されてから、J1リーグで3位、5位、4位、4位、5位と、あと一歩の成績が続いている。メルカリ取締役社長兼COOの小泉文明氏も「トップとしてこの結果を重く受け止めています」と謝罪する一方、「中長期的な視点に立った強化戦略」を取ると声明を出した。

そして10月9日に新体制が発表され、中後雅喜氏が内部昇格の形で新監督に就任。さらにスカウトだった本山雅志氏と、U-23日本代表コーチを務めた羽田憲司氏のコーチ就任、また、プログループマネージャーを務めていた中田浩二氏のFD就任も同時に発表された。

中後雅喜監督(東京ヴェルディ所属時)写真:Getty Images

中後新監督のスピード出世と新体制

2024シーズン残り6節での大きな体制変更には、サポーターからも疑問の声が上がった。中でも多かった声は「中後に鹿島の監督が務まるのか」というものだ。