元リバプール監督(2015-2024)のユルゲン・クロップ氏が、2025年1月からレッドブルグループの「グローバル・ヘッド・オブ・サッカー」に就任することに対し、ドイツ国内で厳しい批判が相次いでいるようだ。
複数のドイツメディアが、クロップ氏の選択に対して「悪魔と契約を結んだ」と厳しい言葉を浴びせている。これは、レッドブルが商業主義を象徴する企業であることから、クロップ氏がその理念に迎合したと受け取られたためだ。
レッドブルの支援を受けて急速にブンデスリーガに昇格したRBライプツィヒは、伝統を重んじるサッカーファンから批判されてきた。ドイツでは地域密着型のクラブ運営が重要視されており、こうした背景からライプツィヒは、パリ・サンジェルマンと並び、商業主義の象徴と見なされることが多い。このため、クロップ氏がレッドブルと手を組んだことは「サッカーの魂を売り渡した」と捉えられ、「悪魔と契約を結んだ」という表現が使われたようだ。
『Der Spiegel』は「サッカーロマンチシズムはとうに死んだ」とし、クロップ氏がリバプール時代に築いた「ザ・ノーマル・ワン」としての親しみやすいイメージと、現在の選択が矛盾していると指摘。
『T-Online』は「彼は自らの記念碑を一瞬で壊してしまった」と述べ、クロップ氏の決断が多くのファンへの裏切りに映っていると報じている。
また『Münchner Merkur』は、「彼の笑顔は彼の歯と同じくらい偽物だ」と辛辣コメント。これは、クロップ氏が過去に歯の治療を受け見た目が大きく変わったことを揶揄しており、彼の姿勢の変化も含めた批判として受け取られている。
クロップ氏のこの決断が、彼自身やドイツのサッカーファンにとってどのような影響を与えるのか、良くも悪くも、今後の動向に注目が集まりそうだ。