稲村隼翔 写真:Getty Images

 アルビレックス新潟は10月9日に敵地で行われたYBCルヴァンカップ準決勝1stレグで、川崎フロンターレに4-1で快勝。特別指定選手であるDF稲村隼翔の活躍が目立っただけに、新潟サポーターによる東洋大学サッカー部への寄付が相次いでいるという。

 現在22歳の同選手は、FC東京の下部組織や前橋育英高校を経て、東洋大学へ進学。大学屈指の逸材として注目を浴びるなか、2023年6月1日に2025シーズンからの新潟加入が内定している。

 2024年4月17日のYBCルヴァンカップ2回戦・いわきFC戦でデビューを飾ると、その後J1リーグでも10試合に出場している稲村。9月14日のJ1第30節・湘南ベルマーレ戦では初アシストをマーク。川崎戦でも攻守にわたり安定感抜群のパフォーマンスで、チームを勝利に導いた。

 すると、学校法人東洋大学の寄付サイトが新潟サポーターによるコメントで埋め尽くされ話題に。「関東リーグ終盤の大事な時期に稲村選手を送り出していただきありがとうございます」「稲村選手は守備はもちろん、攻撃面においても魅了してくれます。アルビレックス新潟になくてはならない存在です!」といったコメントがXで拡散されるなど、反響を呼んでいる。

 日本サッカー界では、Jリーグを経由しないで海外挑戦する有望株が増加している中、JリーグのABC契約制度廃止、新人選手の年俸引き上げ決定が大きな話題に。現行のABC契約の場合、新人選手は最大でも480万円しか受け取れなかったが、制度改定により1200万円まで引き上げられる。

 ただそれでも、オランダリーグの場合はEU圏外選手の最低年俸が40万ユーロ(約6460万円)、20歳未満の場合は20万ユーロ(約3200万円)と定められており、Jクラブ行きよりも条件面は良い。

 しかし稲村の例を踏まえると、サポーターが大学へ積極的に寄付することにより、大学側が恩義を感じて選手サイドにJクラブ行きにむけて働きかける可能性も考えられる。