浦和レッズ所属FWブライアン・リンセンが、Jリーグ挑戦を決断した時に心境を回顧。意思決定のプロセスにおける日本とオランダの違いも語っている。
10月8日に34歳の誕生日を迎えたリンセンは、オランダ国内の複数クラブを渡り歩き、2020年夏から2シーズンにわたりフェイエノールトでプレー。2021/22シーズンに公式戦17ゴール10アシストと結果を残し、シーズン終了後に浦和へ完全移籍している。
今季終了後に契約満了を迎えるとみられるリンセンだが、10月はじめに米メディア『ESPN』のポッドキャスト番組『Drawing Money』に出演。フェイエノールトから浦和への完全移籍を決断した時の思いを振り返っている。
「2、3週間は考えなければならなかったね。もちろん、(浦和移籍が)自分の人生を変えることになるのは分かっていた。やるのか、やらないのか。最終的には、自分の条件だけで受け入れると決めた。実際にはフェイエノールトを去りたくなかったけど、自分の条件だけでね。それでボールが転がり始めたんだ。かなり時間がかかったよ」
30代で初の海外挑戦という決断を下したリンセンだが、浦和移籍が正式決定するまでに時間がかかった背景に、日本側の意思決定プロセスがあるという。
「(日本とオランダでは)時差があった。交渉のやり方も少し違う。日本では決断に協力、賛同しなければならない人がたくさんいる。一般的に、日本人は自分の行動に責任を持つことを嫌がるので、決断を下すのにかなり苦労する。その分、時間がかかるんだ」
リンセンの言葉が物語るように、日本社会では責任を他人に押し付けようとする習慣が依然として残っている。優良な外国人選手の獲得という観点では、決断までに時間を要することがマイナスに働く可能性もあるだけに、何らかの改善が必要かもしれない。