現時点でプレーオフ圏の6位から勝ち点6差以内、FC大阪、松本山雅、SC相模原、ヴァンラーレ八戸、ツエーゲン金沢、FC琉球、ガイナーレ鳥取の7クラブが入っている。勝ち点差が詰まっていることもあり、虎視眈々とプレーオフ圏を狙う。
残りの対戦カードから、最も勝ち点の積み上げが難しいと見られるのが13位ガイナーレ鳥取。上位3クラブすべてと対戦が残っており、いずれも残り5試合以降の対戦になることから、特に富山と今治は自動昇格に向けて是が非でも勝ち点3が欲しい状況でのゲームとなるはずだ。一方で、下位勢とのゲームが最も多いのはFC大阪。単純に順位を見れば優位に思えるが、最下位のいわてグルージャ盛岡を除き下位も14位FC岐阜から19位奈良クラブとの勝ち点差が6と僅差。19位のクラブは日本フットボールリーグ(JFL)2位クラブとの入れ替え戦にまわる可能性もあることから、対戦するタイミングとその際クラブが置かれている状況によっては、決死の覚悟で臨んでくることも考えられる。つまり、中位というものが存在しない今季のJ3においては、やや抜け出た上位3クラブとの対戦を除き残りのカードにおける優位性を示すことは難しいと言えよう。
残る対戦カードにおける今季の戦績を見ると、最も厳しいのはやはり鳥取だろう。7つのうち白星はいわてグルージャ盛岡戦の1つのみとなっており、プレーオフ圏以上を目指すライバルたちには1分5敗。引き分けた金沢戦も序盤から失点を重ねたゲームであり、プラスの要素は少ない。ただし、直近5試合の戦績は4勝1敗とリーグで最も多くの勝ち点を積み上げた結果になっており、勢いがあることは言い添える必要がある。反対に残りのカードで最も勝ち点を挙げているのは松本山雅。戦績は4勝2分1敗で、大敗を喫した金沢戦を除いて負けがなく好材料を持っていると言える。
プレーオフ圏をめぐる争いが大混戦となっている現時点では、対戦カード、今季の戦績、直近の勢いなどを考慮すると大きな差があるとは言い難い。とはいえ、今季1年でのJ2復帰を目指しほぼ向かうところ敵なしで突き進む大宮をはじめ、昨年昇格に肉薄した今治と富山の3クラブとのゲームを残しているクラブほど遅れを取る可能性は高い。まったく先の見えないリーグ終盤の昇格プレーオフをめぐる争いから引き続き目が離せない。