塩貝健人 写真:Getty Images

 オランダ1部NECナイメヘンでは現在、日本代表FW小川航基、MF佐野航大、FW塩貝健人と日本人選手3名がプレー。同クラブのテクニカルディレクター(TD)であり、日本代表MF堂安律(現SCフライブルク)、DF菅原由勢(現サウサンプトン)の海外移籍を手掛けた実績を持つカルロス・アルバース氏が、日本人選手の獲得戦略に言及している。

 アルバース氏はかつて2016年4月から2018年5月までFCフローニンゲンのチーフスカウトを担当し、2017年にガンバ大阪から堂安を獲得。フローニンゲン退団後はAZアルクマールのチーフスカウトとして活動し、2019年に名古屋グランパスから菅原の獲得した。

 そして2022年11月にナイメヘン入りすると、翌年に小川、佐野、DFファン・ウェルメスケルケン・際(現川崎フロンターレ)と次々と日本人選手を獲得。2024年8月には横浜F・マリノスの特別指定選手だった塩貝の獲得で注目を集めている。

 そんなアルバース氏は、10月9日に米メディア『ESPN』のポッドキャスト番組『Drawing Money』に出演した際、話題が自身の思い描く補強戦略に及ぶと、「小川、佐野、塩貝がナイメヘンでプレーしているのは偶然ではない。フローニンゲンとAZでスカウトをしていた時、私は日本市場を開拓し、大きなネットワークを築いたんだ」と、過去の実績を強調している。

 また同氏は塩貝獲得に至るまでの背景にも言及。「今年はモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)で塩貝をスカウトした。彼には欧州トップレベルのクラブも興味を示していた。だけど小川と佐野はすでに我々のもとでプレーしていたから、塩貝に対してナイメヘン入りを決断するように説得できたんだ」と説明している。

 オランダリーグでは、EU圏外選手の最低年俸が40万ユーロ(約6460万円)に設定されており、20歳未満の場合でも半額の20万ユーロ。塩貝がナイメヘンへ移籍した時、Jリーグ新人選手の年俸は上限480万円と定められていた。そのJリーグは先日、新人選手の年俸上限額を1200万円まで引き上げる方針を固めたが、それでもオランダ国内クラブよりも条件面で劣る可能性が高い。