日常的にフィクション小説や映画、テレビ番組に慣れ親しんでいる我々だが、それにしても、こんなことって現実に起こり得るのだろうか!? 入院患者が突然テレポーテーションし、後になって死亡した状態で発見されるなんて……。
■ほんの2、3分の間に入院患者の姿が消える
この不思議な出来事は、2017年10月5日に南アフリカのケープタウンにある病院「Stellenbosch Hospital」で発生した。
早朝5時15分ごろ、ある看護婦は巡回中に61歳の男性患者Teteteke Gqotsiwhoさんがベッドに横たわっている姿を認めている。彼は違う病院で開腹手術を受けたが、その後すぐにこの病院へと移り療養中であった。
ところが看護婦がシーツと枕カバーの交換をしようと、ほんの2、3分部屋を離れて戻って来ると、男性の姿は影も形もなくなっていたのだ。まるで神隠しにでもあったような一瞬の出来事に、病院内はパニックに陥った。
すぐに警察も駆けつけ、くまなく捜査が行われたが何の手がかりも得られず時は過ぎ、ようやく男性が見つかったのは13日後のことだった。
男性が発見された場所は、まったくの想定外だった。元の病室より数階上の天井裏で、工事作業員が男性の死体を偶然発見したのである。当然のことながら、病院と警察関係者はこの状況に大いに困惑し、頭を抱えてしまった。
現地保健局のM・へーヴァー氏は、「本事件はまったくもって不可解で説明がつかない」とコメント。発見された時、すでに男性の遺体は腐敗が進んでいた。そして天井裏は、“完全な密室状態”だったらしい。また、死亡した男性は開腹手術直後であり、自由に動き回ることができる状態ではなかった。そして、事件がたとえ第三者による殺人だとしても、ごく短い間にどのような目的と方法で犯行に及んだのか、過去のあらゆるケースに当てはまらず完全に手詰まりとなってしまったのである。