国際サッカー連盟(FIFA)が韓国サッカー協会(KFA)に対し、懲戒処分を検討しているようだ。9月30日にFIFAから警告性のある公文書を受け取ったことが明らかになり、最悪の場合、韓国代表チームの国際大会への参加が禁止される可能性が浮上している。
問題の背景には、韓国政府の文化体育観光部(文体部)によるKFAへの監査がある。文体部は、KFAの監督選任過程において、規定違反や不透明な手続きがあったと指摘している。
具体的には、ユルゲン・クリンスマン前監督やホン・ミョンボ現監督の選任過程で、適切な手続きが踏まれなかったとのこと。たとえば、クリンスマン監督選任時には、KFAのチョン・モンギュ会長が直接面接を行い、理事会の手続きを無視したと指摘された。また、ホン・ミョンボ監督の選任では、権限のない技術委員長が候補者を推薦するなどの不正が疑われている。
こうした政治的な干渉に対し、FIFAはサッカー協会の独立性を強く求めている。FIFAの定款には「各国のサッカー協会は、第三者の干渉を受けてはならない」と明記されており、過去にはクウェートが政府の介入を理由に資格停止処分を受け、ワールドカップ予選の出場権を失った事例もある。
今回のFIFAからの公文書は「関連事項を注視している」という内容にとどまっているようだが、もし韓国政府の介入がFIFAによって重大と判断された場合、韓国代表チームはFIFAワールドカップ(W杯)を含む国際大会への参加資格を失う可能性がある。
文体部は10月末に最終的な監査結果を発表する予定だが、FIFAの動向次第では、韓国サッカーにとって大きな岐路となる。KFAは改善の意向を示しつつも、政府との関係をどう整理するかが今後の焦点となっているようだ。