元スペイン代表でバルセロナ(2002-2018)やヴィッセル神戸(2018-2023)でもプレーしたMFアンドレス・イニエスタの引退セレモニーが10月8日にバルセロナ市内で行われ、スペインサッカー界の名だたる人物が集まった。
バルセロナのジョアン・ラポルタ会長と、シャビ・エルナンデス前監督(5月24日退任)も出席したが、二人の間には緊張感が漂っていたようだ。スペインメディアASによると、両者は意図的に距離を保ち、直接の接触を避けたと報じられている。
シャビ監督とラポルタ会長の関係が悪化した背景には、今年初めの監督退任を巡る一連の出来事がある。シャビ監督は当初続投を表明していたが、チーム補強や再建について会長と意見が合わず、記者会見で「大幅なチームの刷新がなければ、タイトル争いは難しい」と述べたことで状況が悪化した。
これをきっかけにシャビ監督はクラブを去り、ラポルタ会長の対応は「非礼」と批判された。また、ラポルタ会長がチームとともに遠征に同行しなかったことも、関係悪化を象徴する出来事として捉えられている。
イニエスタの引退セレモニーでは、シャビ監督とラポルタ会長は全く顔を合わせず、それぞれ別のタイミングで到着し、席も離れていたとされる。彼らの関係修復の兆しは見られず、セレモニーの場でも距離を保つ姿勢を見せていたようだ。
シャビ監督は退任後、沈黙を守りつつ休暇を取って将来を検討しているが、未だにクラブ内外からの批判を受け続けている。バルセロナのMFペドリは、ハンジ・フリック新監督の下でのトレーニングを「より良い」と評価し、パリ・サンジェルマンのルイス・エンリケ監督もシャビの戦術を公に批判した。さらに、ラポルタ会長もフリック監督を称賛しており、シャビ監督への不満を間接的に表明している。