今季水戸が勝利した試合の中には、5月12日の山形戦(NDソフトスタジアム山形/1-0)や、8月3日の長崎戦(トランスコスモススタジアム長崎/2-1)といった、敵地での“上位イジメ”が含まれていることも“J2の番人”を印象付けるには十分だ。
県内に鹿島アントラーズというビッグクラブが存在しながらも、決して張り合おうとせず、ひたすら我が道を行くその姿勢はまさに「番人」と呼ばれる最大の理由。順位的には中位が指定席でありながらも、昨季と今季のホーム清水戦に見られるように、上位戦線を引っ掻き回す、他クラブにとっては厄介なチームだ。
水戸のサポーターや選手・関係者には怒られそうだが、傍目から見て、来季以降も水戸がJ1昇格争いに加わる可能性は高くないだろう。
しかし、清水戦で見せた逞しさは、選手が入れ替わろうが、クラブのカラーとして脈々と受け継がれていくと感じさせる。そして今回、清水サポーターが味わった「J1に行くなら、我々を倒してから行け」という無言のメッセージを発信し続けることこそ、水戸ホーリーホックの存在価値だと思えるのだ。