聖書には暗号が仕込まれており、神からのメッセージや未来の予言が隠されている――かつて世界的ブームとなった「聖書の暗号」が再び脚光を浴びているという。世界最古の写本を“解読”した結果、現れたメッセージとは? オルタナティブメディア「BigThink」が2018年に報じた内容を紹介しよう。

■聖書の暗号再び

 1997年に出版され、世界的に大ブームを巻き起こし、日本でも話題となったマイケル・ドロスニン著『聖書の暗号』(新潮社)をご記憶の方は多いだろう。ヘブライ語で書かれた旧約聖書を等距離文字列法(Equidistant Letter Sequence: ELS)という手法を用いてコンピュータ解析すると、様々な予言の言葉が現れるというものだ。著者のドロスニン氏は、ホロコーストや湾岸戦争など、聖書の暗号で様々な出来事が予言されていると主張し、世界中の注目を集めた。

 それからおよそ20年以上が過ぎ、再び聖書には暗号で隠された神のメッセージや予言が含まれていると主張する人物が現れた。

 ティモシー・スミス氏は米ヴァージニア州出身の美術品・骨董品の専門家であり、代々受け継いだファミリービジネスの継承者でもある。ビジネスと歴史に強い興味を持ち、高等教育も受けているスミス氏は、1998年、現存する最古のヘブライ語聖書の写本とされるレニングラード写本に“暗号”を発見したという。彼はこの暗号を「チェンバレン・キー」(チェンバレンとは宮廷における侍従を意味する)と呼び、長年の研究の結果、イエス・キリストの誕生といった重要な出来事の予言や、契約の箱のありかなど、神の手による様々なメッセージを見つけたと主張しているのだ。

聖書の知られざる暗号「チェンバレン・キー」とは!?神が“自ら聖書を記した”証拠!?戦慄のメッセージ解読
(画像=ティモシー・スミス氏。画像は「YouTube」より引用,『TOCANA』より 引用)

スミス氏らは2017年に著書『The Chamberlain Key: Unlocking the God Code to Reveal Divine Messages Hidden in the Bible』を出版し、暗号解読研究の成果を発表している。彼らが解読に用いているのはドロスニン氏と同じくELS法であり、暗号の存在そのものが、神が自らの手で聖書を書いた証拠であるとも主張する。

聖書の知られざる暗号「チェンバレン・キー」とは!?神が“自ら聖書を記した”証拠!?戦慄のメッセージ解読
(画像=ニングラード写本。画像は「Wikimedia Commons」より引用,『TOCANA』より 引用)

 ELS法は、テキストの中の特定の文字を起点にして一定の文字数をスキップしながら文字を拾う方法である。通常であれば何の意味もなさない文字列にしかならないが、時折意味のある単語や文章が浮かび上がる。この解析をレニングラード写本で行った結果、創世記の中にイエス・キリストの誕生から刑死、そして復活を示す予言などが見つかったというのがスミス氏の主張である。

 とはいえ、ELS法には批判も多く、コンピュータ科学者のブレンダン・マッケイ氏は、ハーマン・メルヴィルの名作小説『白鯨』を使って暗殺の“予言”を発見している。

 スミス氏らの研究は米ヒストリーチャンネルの番組『God Code』でも紹介され、全米で大きな注目を集めた。『聖書の暗号』から目が離せない。

提供元・TOCANA

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