「そうですね。どっちで受けようというのはなくて(最初からタッチライン際、もしくは内側に立つと決めているわけではなくて)、相手のプレスを見て立ち位置を変えるようにしています」

ー9月のAC長野パルセイロ・レディース戦(WEリーグ第3節)では、時折繰り出される栗島選手から遠藤優選手(右サイドバック)へのロングパスが効果的でしたね。仮にこのパスが繋がらなくても、相手最終ラインの背後へボールを送ることで、その後敵陣でプレスをかけてボールを奪うという展開に持ち込みやすかったのではないでしょうか。今日の練習を拝見した限り、監督は自陣から丁寧にパスを繋ぐことに重きを置いており、ロングパスでの局面打開をあまりやらない方向という印象を持ちました。実際のチーム事情はいかがですか。

「長野戦でロングパスを出したとき、自分は(サイドバックから)ボランチにポジションを移していたので、(遠藤選手への)パスを出しやすかったですね。点をとるにはあのようなプレーが必要だと思いますし、『(繋がるか分からない)五分五分のボールを出すな』と今日の練習で言われたんですけど、(俊足の)遠藤選手なら五分五分のボールを出しても勝てるので。試合の流れを見つつにはなりますけど、味方の特長も理解しながら、チャレンジのボール(ロングパス)を時折入れるのは効果的だと思います」

ー9月のWEリーグ開幕節(日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦)では、栗島選手が自陣からボールを運んだことで相手の守備隊形が崩れ、これがゴールに結びつきましたね。(2024/25シーズン序盤を見た限り)ボランチやセンターバックの選手によるボール運びを増やしたほうが良いように感じたのですが、監督からも求められていますか。

「そうですね。『センターバックが持ち運んで』と言っているときもありました。ただ、それも相手の状況を見ながらですね。(相手選手を)ひとり引き寄せてからパスを出すことで、相手チームのプレスがずれるならそうしたプレーが必要ですし、試合の流れを読む力というのは全体的につけていきたいですね」


池田咲紀子 写真:Getty Images

「ビルドアップを自分たちのものにしたい」