ペナルティエリア手前でボールを保持した高井は、自陣へ降りてきた味方FW遠野大弥(左サイドハーフ)への縦パスを選択したが、これをシン・チャンムにカットされたことで先述のピンチに至っている。自陣でマンツーマン守備をされたときには、相手サイドバック背後へのロングパスで局面打開を図る。こうした原則をチーム内で共有しておく必要があったが、この試合における川崎はこれが不十分だった。
「前半30分までが問題だった」
試合後の公式会見で鬼木監督へ寄せられたのは、前半の低調なパフォーマンスに対する質問だった。同監督はこの会見で2つの質問に答え、自軍の反省点を挙げている。
ー前半30分までのプレーが、あまりに低調でした。その原因をどのように考えていらっしゃいますか。また、後半にどのような修正を試みましたか。
「おっしゃられた通り、前半のあの時間までが非常に問題だったと思っています。狙いを持って(試合に)入ったなかで、相手の守備のやり方のところでしっかりと(プレスを)剥がせなかったり、相手の攻撃のところで最終的には狙ったような形でボールは出てきているんですが、そこで回収できなかったり、奪ったボールをすぐまた回収されてしまうと。本当にその繰り返しでしたので、攻守両面で非常に問題はあったと思います」
「ただ、そのなかでもやはり気になるのは、攻撃のところで取ったボールをしっかりと動かしたかったのですが、少し選手間の距離が遠くなってしまったのかなと。前半の途中から形を少し変えるというか意識をさせたなかで、マイボールの時間を増やそうとしましたが、なかなかすべてが伝わりきらなかったです。後半についてですが、(光州は)マンツーマンに近い守備でしたので、人についてくるのであれば後ろの選手を前線にどんどん上げながら、またビルドアップのところはセンターバックやボランチで受け持ちながら、自分たちが前に行けば、相手は最終ラインがどんどん増えていくような状態になりますので、前進の仕方としては前半からそれをやりたかったです。後半はそこがうまくいったと思います。ただ、やはりゴール前のところで点を決めないと、チャンスがなかったわけではないので、何シーンかは決め切りたかったと思います」