ところが、盛岡がJ3からJFL降格となると、経営環境もガラリと変わってくる。


いるいわぎんスタジアム 写真:Getty Images

JFL降格の場合の悪夢1:財政悪化

盛岡は、2021年にJ2に昇格した際、2025年6月までにJリーグにスタジアム基準を満たす整備計画書を提出し「特例措置」が適用されたことで、2031シーズン前までにスタジアムを建設する義務を負うことになっていた。

現在、本拠地として使用しているいわぎんスタジアム(盛岡南公園球技場)は収容人員が7000人で、J2ライセンスを満たしていない。それでも新スタジアム建設へ向けての機運は高まっていなかった。

今季から採用されたJ3とJFLとの入れ替え制。その第1号となる可能性が高まっている盛岡。それが現実となれば悪影響は計り知れない。

JFLに降格すると、チームに与えられるJリーグからの分配金や、スポンサー収入の大幅減額は必至だろう。J3はDAZNでの配信で放映権料もあるが、それもなくなる。当然ながら、クラブの財政状態は悪化するだろう。アマチュア混在リーグであるJFL降格によるサポーター離れも懸念される。

西大伍(北海道コンサドーレ札幌所属時)写真:Getty Images

JFL降格の場合の悪夢2:主力選手の流出

加えて、JFL降格の暁には、主力選手の流出も避けられない。

2023シーズン途中に盛岡に加入した元日本代表のDF西大伍は、開幕スタメン(2月25日カマタマーレ讃岐戦1-1)に名を連ね、前半8分には得点も記録した。しかし2022年の浦和レッズ所属時代には一般女性との妊娠中絶トラブル、さらに今年8月にはYouTubeで「J1のレベルが落ちていると感じる」と発言し炎上するなど、ピッチ外での話題が先行している印象がある。

もう1人の元日本代表選手で、2008-2010シーズンにはスコットランドのセルティックに所属したMF水野晃樹は、2024シーズンほとんど試合に絡めないまま(25節終了時点で出場時間は計66分)、9月29日に今季限りでの引退を発表した。