上位3チームが自動昇格、プレーオフ進出という最終的な立ち位置を確定しつつある一方、4位以下は大混戦となっている。そのなかで、勝ち点差5以内にいるファジアーノ岡山、ベガルタ仙台、ジェフユナイテッド千葉、モンテディオ山形、いわきFCといった5チームをメインに、最後まで3つのプレーオフ進出の椅子を争う可能性が極めて高い。

残りの対戦カードを見る限りでは、上位との対戦が1つのみの仙台がやや有利と言えるが大きな差はなく、いずれも上位、中位、下位とほぼ偏りなく対戦が組まれている。次に残りのカードにおける今季の戦績では、仙台が1勝3分1敗とやや劣るがやはり目立つほどの差はないと言えよう。そうなると、抽象的ではあるが重視すべきは勢いか。昨季のプレーオフ圏争いを見ても、最終節でプレーオフ進出を決めた山形が残り5試合で5連勝。6位となった千葉も第31節から7連勝を果たしている。

そうした視点で見ると、後半戦に入り大きく勝ち点を伸ばし勢いづいているのは山形。直近4連勝で挙げたゴールは12と圧倒的な強さで上位を猛追している。次点では千葉が挙げられ、第28節から3連勝。第31節で敗れたものの、引きずることなく直近また2連勝を果たしており、ラストスパートは十分かかっている。一方で、いわきはやや遅れをとっている。直近5試合は2勝1分2敗とまずまずだが、仙台、長崎との上位対決では無得点で敗れており、残る岡山戦と清水戦に不安がある。

また、勝ち点が近いこの5チームの争いでは得失点差も明暗を分ける要素となり得る。現時点では千葉がプラス21ともっとも高く、エースFW小森飛絢が終盤恐ろしいほどの勢いでゴールを量産していることもあり、さらなる積み上げが予想される。次に多いのは岡山だ。得点力は上位勢の中で見劣りするもののリーグで2番目に少ない失点数が得失点差の優位を生んでいる。

複数の要素を見ていくと、5チームで危うく見えるのは現在5位につける仙台か。勝ち点では優位に立っているものの、残りのカードにおける今季の戦績や得失点差での不安が大きく、陥落の可能性は十分考えられる。また、いわきも勢いに欠け、今季上位勢との直接対決で敗れているゲームが多いことから逆転は難しいと言わざるを得ない。