愛する故人にはもう二度と会うことはできないのか――。かつてきわめて高確率で死者とコンタクトができる方法が考案されている。その名も「サイコマンテウム」だ。

■死者と再会する“サイコマンテウム”とは?

 “死者との交信”をする儀式は世界中のさまざまな文化で行われてきたが、現在ではその多くが失われてしまったという。

 それでもウィジャボード(Ouija board)やコックリさんなどの降霊術は今も行われており、不用意に行うことで悪霊に取りつかれたり、“集団ヒステリー”を引き起こしたりという悪い話もよく聞かれる。

 もっと穏やかに故人と接触できる方法はないのだろうか。アメリカの医師で心理学者のレイモンド・ムーディ博士は、古代ギリシアに伝わる冥界につながる神殿、ネクロマンテイオン(nekromanteion)のコンセプトをベースにした死者とのコンタクト法であるサイコマンテウム(psychomanteum)を何度も試みて、その結果を記録している。