ヴィッセル神戸 写真:Getty Images

 天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会の準々決勝で、J1の鹿島アントラーズとヴィッセル神戸が9月25日に対戦し、神戸が3-0で快勝した。神戸はJ1リーグで首位を走るサンフレッチェ広島と勝ち点1差の3位におり、2冠の可能性を十分に残している。

 奇しくも2019年の決勝戦(2-0で神戸が勝利)と同カードとなったこの試合、神戸はリーグ戦からメンバーをごっそりと入れ替えており、ベストメンバーに近い鹿島の方が有利かと予想された。しかし、開始から15分でベルギーから8年ぶりに戻ったMF森岡亮太のお手本ともいえるようなボレーシュートを皮切りに試合後半84分にMF佐々木大樹の泥臭いボレーが決まり、追加点を奪った。さらにアディショナルタイムにはMF井手口陽介のミドルが決まり、8年ぶりの優勝を目指した鹿島を粉砕し、神戸がリーグ戦の勢いそのままに圧倒する結果となった。

 神戸の公式Instagramには「先発7人を入れ替えるターンオーバーした中で最高の結果だったと思います」「いやー誰が出ても勝てるチームになってきてて嬉しいわ」「このメンバーで勝てたこと、サポーターとして誇らしすぎる」と、選手層の厚さを感じさせるコメントが寄せられた。

 しかしこの試合、神戸と鹿島共にJ1でも優勝の可能性を残しており、平日とはいえ注目された試合だったが、スタンドは空席が目立ち、ノエビアスタジアム神戸の観客数は7231人とカップ戦平日開催の難しさが表面化した。

 勝利した神戸は10月27日の準決勝でJ1の京都サンガと対戦。もう一つの準決勝は横浜F・マリノスとガンバ大阪の対戦する好カードとなっており、観客数の増加に期待したい。