国籍取得のための口頭試験はスペイン語で行われる

そのような環境の中で生活していた彼女であるが、スペイン国籍を取得したいという希望に駆られ3年前にそれを申請した。ところが、国籍取得の認定の前の口頭試験で、彼女はカタラン語での審査を要望。

なぜならスペイン語についての知識は全くなく、日常の生活でもスペイン語を理解する必要性は皆無というのが理由であったからだ。ところが審査はスペイン語で行われた。それで彼女は緊張して審査官のスペイン語による質問に答えることができず、彼女のスペイン国籍申請は却下された。

それを不服として、彼女はスペインの裁判所アウディエンシア・ナシオナルに訴えた。が、同裁判所でも彼女の訴えを拒否する判決が下された。理由は以下のような内容からである。

「一人の外国人がスペイン国籍を取得するということは国家共同体に同化することである。それによって就労や在住も可能となる。と同時に外国人がスペイン国籍を取得するということはスペイン人と同等の一通りの権利も有することになる。また選挙における選挙権も被選挙権も取得することになる。同時にヨーロッパ共同体の市民にもなる。これらの権利を取得するためには当人がスペイン社会に同化できる共通語を理解できる必要がある」

彼女はその条件を満たさないということで申請が却下されたというわけである。(2月19日付「ディアリオ・デ・マリョルカ」から引用)。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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