日本で有名人の名前を語る投資被害が話題になっています。一種の社会問題なのですが、どうも報道を見ていると冷たい気がするのです。勝手な憶測ですが、有名人金持ちと金持ちになりたいおっさんおばさんたちの化かしあいじゃネタにならないということでしょうか?騙される男性は50-60代のフェイスブック愛好者、騙される女性はインスタの40-50代愛好者。つまり両方とも情報に飢えているグループで騙す側のSNSも年齢層のトレンドをつかんだ上手なマーケティングをしています。

メタ社が声明を発表しましたが、著名人たちは「謝罪の一言もない」と激おこであります。

こういう場合、欧米では規制当局が動くものなのです。ですが、日本ではその気配全くなし。つまり、アメリカ様のプラットフォーマー様にそのような失礼なクレームや対策を要請すればメタ社様はぷんぷん丸になるだろうから一官僚としては岸田首相様の顔もあるしそんなこと、できなーいであります。

アメリカの株式市場を見ても大手IT企業への投資集中問題が一部ではささやかれています。理由は簡単です。日本がアメリカの国債をとどめもなく購入する理由は何でしょうか?そう、売買高が多く、売り買いがしやすいです。それと同様、大手ITの出来高、取引高は尋常水準ではなく、世界の機関投資家や投資ファンドがこぞって売買するのは売りやすい、買いやすいが理由なのです。

言い換えればマネーが溢れている、そしてそれが行くところを失い、それらの企業に消去法で資金が向かう、これが究極の答えだと思います。

恐ろしいのはアメリカには恐竜が5-6匹いるだけだ、という見方です。これらの恐竜の一匹でも病気になったり死んだりしたら世界のマネーは大変な事態を招くというのは想像がつくでしょう。そう、ダイエーが倒産したり日本のデパートが苦境に陥った時のようにであります。その時、消費者は何処に行ったかといえばコンビニ、ドラッグストア、オンラインショップ…だったのですが、アメリカにその代替の準備ができているか私には怪しいなぁと思うのです。USスチールが凋落の一途だったようにです。とすれば30年後に世界で見向きもされなくなったかつての大手IT社の株式を持つアメリカのオジサマ オバサマ達が「我々の魂である大手ITはほかの国に絶対に渡さないぞー!」とシュプレッヒコールをあげているのを横目に「誰も欲しがっていないよー」とインド人がカレーを食べながらつぶやいているのでしょうか。

今日の話は「いびつな社会はいつかはバランスを崩す」という趣旨でございました。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年4月23日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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