「アメリカ大手IT企業」とかけて恐竜とときます、その心は生存できない。

そんななぞかけは当たらないと思います。ですがアメリカ大手IT企業も最近は手放しで安泰ではないような気配も見て取れます。昨年あたりはマグニフィセントセブンなどと囃されたもののテスラは早々に離脱、業績が冴えない点でアップルにも疑問があるし、グーグルもここにきて苦しそう。アマゾンは純粋にITなのかといえば部門でAWSを抱えているけれど最近パッとした感じはしません。エヌビディアはバリュエーションからは腹が膨れ上がっていて次の波動待ち。マイクロソフトはAI戦略が当たっていますが、目立たたず地道な感じ。メタはSNSプラットフォーマーとしての社会的役割はあるけれど次の一手がずっと出ていない…これが私の概観です。

Meta マーク・ザッカーバーグ氏 テスラ イーロン・マスク氏 Open AI サム・アルトマン氏 NVIDIAジェン・スン・フアン氏(Wikipediaより)

大手ITへのバッシングは昨日今日に始まったわけではありません。4年前の大統領選の際、民主党は極左から中道まで候補者が乱立、その中で左寄りの候補者からはあからさまな大手IT分割論が出ていました。ごく簡単に言ってしまえば日本で大規模なデパートやダイエーなど総合スーパーマーケットができて商店街に壊滅的影響があったようにアメリカのITの寡占化が健全なアメリカ経済の育成を阻んでいるという趣旨でありました。

アメリカのスタートアップの創業者たちも割り切ったもので「よい技術をもって起業したその最終ゴールは何ですか」という問いに20代の創業者は臆面もなく「大手IT企業に買ってもらうことです」と。新しいディファクトスタンダードを作るぞ、という意気込みはなく、これをA社に売って〇百億円稼いで次にB社を作ってこれも将来売る、という流れです。これをserial entrepreneur(連続起業家)と囃すわけですが、私からすれば単なる金儲け術にたけた人という訳にしかならないのです。