プーチン氏が通算5期目の大統領就任式に臨みました。これで6年間の新たな任期がスタートするわけです。終わりは2030年。それなりの大国にもかかわらず、これだけの長期独裁が実行できるのは驚きであります。また、政争のライバルとなるべく相手は死亡、収監などでほとんどおらず、取り巻きには同じような顔ぶれが並びそうです。当然ながら彼ら側近も歳をとっていくわけで老体化するロシアといった方がよいのでしょう。

もともと同国は支配する側とされる側が他国に比して鮮明であり、国民が蜂起をしたり、自分で自分の国を作るという発想がないに等しいため、誰が国のトップであろうが、民は「従わざるを得ず」です。むしろ、従うことに慣れているので民主主義の思想が理解できないといったほうが正しいのでしょう。

いわゆる権威主義の国は世界では民主主義国家よりも多くなり権威主義国に言わせれば西側先進国は民主主義を押し付け、輸出し、伝播させようとしていると主張するわけです。

ところで日本は民主主義かといえばその通りなのですが、欧米のそれとはまた違う発展を遂げているように見えます。何が違うのか、私がぼんやり頭に浮かぶのは宗教的縛りの違いではないかと思うのです。一神教の場合、教義があり、民はその基本の枠組みに収斂していきます。ところが日本は多神教である故、収斂できず、それを無理にしようとすると摩擦が起きます。例えば政党同士がいがみ合ったり、事業者がおらが村的なスタンスをとるのはその表れではないかと思うのです。憲法改正ができないのも日本国民が思想的に一枚岩になれないのです。つまり日本の民主主義とは言論の自由に見られるように「何をやっても自由」、一方、欧米は「秩序を強要される中での自由」の違いがあると思います。