日本政府観光局(JNTO)は12月16日、訪日外客数の2020年11月推計値を発表しました。

11月の訪日外客数は56,700人と、前年同月比では97.7%減となりましたが、実数としては前月の27,400人から2倍以上増加し、大幅に回復しています。

背景としては、11月より全世界を対象にした、中長期の在留資格を持つ外国人の入国再開をはじめ、韓国や中国とのビジネス目的の往来再開などが考えられます。

本記事では、11月の訪日外客数について各市場のデータと動向をふまえ、日本における11月の入国制限緩和の状況について解説します。

目次
11月の訪日外国人観光客56,700人:前月から2倍に
 ▶︎東アジア:中国では1万人以上の訪日客を記録
 ▶︎東南アジア・中東地域:インドネシア・フィリピンでの増加目立つ、ベトナムでは前年比4割程度の回復も
11月の訪日外客数は前月の2倍に増加:入国制限緩和の効果か

11月の訪日外国人観光客56,700人:前月から2倍に

2020年11月の訪日外客数は、前年同月⽐97.7%減の56,700⼈となり、14か月連続で前年同月を下回る結果となりました。

ただし実数としては5万⼈を超えており、2020年10月の27,400人からは2倍以上に増加するなど、大幅な回復をみせています。

次に、東アジアと東南アジア・中東地域における2020年11月の訪日外客数の動向について解説します。
 

訪日ラボ
▲[訪日外客数前年比(2020年11月まで)]:訪日ラボ編集部作成(写真=訪日ラボより引用)
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▲2020年11月訪日外客数(JNTO推計値):JNTOプレスリリース(2020年12月16日)(写真=訪日ラボより引用)

東アジア:中国では1万人以上の訪日客を記録

東アジアからの訪日外客数は、最も多い中国が18,100人、次いで韓国が2,800人、台湾が1,200人、香港が500人となりました。

全市場において前年同月比97~99%減となりましたが、台湾を除く3市場で前月を上回る数値を記録しており、回復傾向にあることがうかがえます。

背景としては、11月1日より4市場全てにおいて感染症危険情報レベルが3(渡航は止めてください)から2(不要不急の渡航は止めてください)に引き下げられ、上陸拒否及び上陸時のPCR検査受診対象指定が解除されたことが考えられます。

中国からの訪日外客数は、前月の4,500人から約4倍も増加しました。中国国内の感染者数もほぼ横ばいで落ち着いていることから、12月以降のさらなる回復が期待されます。

韓国は前月より800人増加し、10月8日からビジネス目的の往来が再開されたことによる効果と考えられます。一方で、国内の感染者数は増加傾向にあり、12月15日の新規感染者数が1,078人と最多を更新しました。今後の感染動向次第では、水際対策の強化等も考えられるため、最新動向を注視することが求められます。

東南アジア・中東地域:インドネシア・フィリピンでの増加目立つ、ベトナムでは前年比4割程度の回復も

東南アジア・中東地域からの11月の訪日外客数は、最も多いベトナムが14,700人、次いでインドネシアが3,400人、フィリピンが1,700人、タイとインドが1,000人、マレーシアが400人、シンガポールと中東地域が200人という結果になりました。

ベトナムは前月の6,200人から2倍以上増加し1万人を超える訪日外客数を記録したほか、前年比4割程度まで回復しました。ベトナムでは7月29日から「レジデンストラック」の受付を開始しており、国内の感染動向も落ち着いていることから、他の東南アジア地域に先駆けて大幅な回復をみせています。

インドネシアも前月の700人から約5倍に、フィリピンも前月の400人から約4倍に増加しました。10月1日から全世界を対象にした入国制限を緩和した影響が要因の1つとして考えられます。

マレーシアは前月の600人から微減しましたが、9月8日から入国制限措置を緩和し、長期滞在者を対象に往来を再開したことから、今後の回復が期待されます。

シンガポールは先月の100人から200人へと倍増しました。9月18日から「ビジネストラック」、9月30日からは「レジデンストラック」の運用を開始したことから、回復傾向にあるとみられます。

11月の訪日外客数は前月の2倍に増加:入国制限緩和の効果か

11月の訪日外客数は先月の2倍に増加し、なかでも中国やベトナムを中心としたアジア諸国では、増加の傾向が続いています。また、11月はインドネシアやフィリピンにおける増加も目立ちました。

11月下旬までに出入国在留管理庁が取りまとめた統計によると、入国制限の緩和措置を利用し入国した外国人は6万3,040人となったことが明らかになりました。在留資格では留学が最も多く、次に技能実習が続いています。一方で、出張などのビジネス目的を含む短期滞在は、依然として全体の7%程度に留まっている状況です。

これまでの入国制限の緩和措置としては、まず7月にタイとベトナム、9月8日に台湾やマレーシアなど5か国との間で入国制限が緩和され、9月18日にはシンガポールとの間で「ビジネストラック」による往来が再開されました。

11月1日からは、全世界を対象に中長期の在留資格を持つ外国人の入国を認めるなど、大幅な制限の緩和が始まっています。11月の訪日外客数の倍増に大きく影響したことが予想できます。

11月8日には韓国、30日には中国との間でビジネス目的の往来再開しました。出張などの短期滞在から駐在員などの長期滞在者まで広く往来できることとなったため、両国におけるビジネスの活発化に期待が寄せられています。

冬に入り新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか、世界各国と地域の感染動向を注視し、アフターコロナに向けて各インバウンド市場に対するプロモーション施策などを進めることが求められるでしょう。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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