12月8日、政府は臨時閣議を開催し、追加の経済対策を閣議決定しました。

この経済対策は、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」「防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保」の3つを柱として構成されており、その事業規模は73.6兆円ともなります。

その中には病床や宿泊療養施設を確保するための「緊急包括支援交付金」の増額や、自治体の情報システムの標準化・共通化を推進する基金の創設、中小企業や飲食店向けの支援、Go To トラベル事業の延長などが盛り込まれました。

本記事では、中小企業の業態転換を支援する「事業再構築補助金」をはじめ、店舗経営にかかわる新たな経済対策について解説します。

※本記事の内容は12月10日時点での各社報道をもとにまとめたものであり、内容は大幅に変更となる可能性があります。

目次
「事業再構築補助金」とは?
補助額・補助率は?
対象・条件
「業態転換」とは具体的に何を指す?
いつから申請できる?
申請の流れは?
飲食店の時短要請に伴い「地方創生臨時交付金」を1.5兆円増額
時短要請が出されている地域は?
対象・条件、申請方法は?
中小企業生産性革命推進事業(特別枠)の継続
Go To トラベル・Go To Eatキャンペーン、6月末まで延長
感染拡大地域でのGo To トラベル事業を利用停止・自粛要請

「事業再構築補助金」とは?

事業再構築補助金とは、2020年12月8日に閣議決定された追加の経済対策の柱「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」で言及されている、地域を支える中小企業を支援する政策の1つです。

今回の経済対策の中で中小企業への支援には総額2兆円を超える予算が充てられています。

その中にある事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響下において、従来の経営が難しくなった中小企業などが新規事業への進出や業態転換への取り組みを行う場合に、その設備投資などの費用を補助する制度で、1兆円超の予算が設定されています。

補助額・補助率は?

12月1日の日本経済新聞の記事では、中小企業の業務転換への補助について以下のように報じられています。

現在は中小企業に最大200万円を給付する経済産業省の「持続化給付金」があるが、政府は予定通り21年1月までで受け付けを終える方向で検討している。新しい補助金は事実上の後継制度となる。補助金額は持続化給付金よりも積み増す方向で、企業にも一定割合の負担を求める。
政府は中小企業向け支援策の適用可否を企業規模で線引きすることが多い。中小企業が成長の過程で資本金を増やすと支援の対象から外れるため、規模の拡大をためらうケースがある。このため既存の補助金について、資本金の規模にかかわらず支援を受けられるようにする法改正も検討する。

つまり、今回発表された事業再構築補助金は事実上「持続化給付金」の後継制度であるため、以下のような条件となると考えられます。

  • 補助額は中小企業1社あたり100万円から6,000万円が上限
  • 設備投資費用の2/3を補助
  • 企業側も一定の負担を受け持つことが原則

    また、規模が小さかった事業者が新規事業の開始や事業拡大に伴って中小企業の規定を超える規模となった場合(製造業なら資本金3億円以下、従業員300人以下:中小企業基本法)には、補助額の上限は1億円まで引き上げられるということです。

    対象・条件

    内閣府が発表した「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」によると、事業再構築補助金の対象となるのは以下とされています。

    新型コロナウイルス感染症の影響の下で経済社会の変化に対応しようとする中堅・中小企業による、新規事業への進出等の新分野展開、事業転換、業態・業種転換等の取組や、事業再編及びこれらの取組 現時点ではまだ詳細な対象や条件についての発表はありませんが、事業再構築補助金が事実上「持続化給付金」の後継制度となることを考えると、2020年1月以降の事業収入が減少している事業であることなどの対象条件が設定されることが考えられます。

    また、発表されている資料では「生産性の向上」が重ねて強調されており、業務転換や設備投資に対して生産性の向上を目指す事業計画や目標値などの設定が条件となる可能性もあります。

    「業態転換」とは具体的に何を指す?

    今回の新しい経済対策は、ウィズコロナ時代における生産性の向上が目的とされています。

    そのため、従来事業を持続させる今までの緊急時対応から一転して、「新たな日常」に向けて中小企業を後押しするのが事業再構築補助金の目的となっているようです。

    具体的な例としては、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」にて以下のように記されています。

    例えば、売上が減少した飲食店が、店舗を縮小、客席や厨房設備等を縮減して経費を節減する一方で、オンライン上で注文を受け付けるサービスを導入、宅配や持ち帰りにも対応するなどの取組を行った場合や、製造業事業者が自社の技術をいかし、当該事業の圧縮・関連設備の廃棄を行い、新たに医療機器等の分野に参入すべく設備投資を行った場合等を想定。

    飲食店であれば、経費節減、オンライン上で注文できるサービスの導入、テイクアウト・デリバリー対応などがこれに該当するようです。

    いつから申請できる?

    申請開始日時は、現時点では不明です。

    ただし、持続化給付金の申請が2021年1月までとされているため、その後継制度の事業再構築補助金は少なくともそれより後になると思われます。

    また、財源となる2020年度第3次補正予算案は、1月15日の閣議決定を目指すとされているので、予算成立後に体制の構築や事務局の公募が行われ、またその立ち上げに1か月程度かかると予測すると、申請が開始されるのはおそらく2021年3月以降になると考えられます。

    申請の流れは?

    申請方法や申請の流れなどについても、現時点では不明です。

    持続化給付金の後継制度とされているので、申請方法や必要な提出書類が持続化給付金の申請を踏襲するなら、公式サイト上での電子申請が基本となるでしょう。

    また、「事業計画書」の提出が必要とのことが12月5日の読売新聞の記事で報じられているので、申請後に審査があると考えられます。そのため、補助金の申請後から実際に交付されるまでに数か月の時間がかかることが予想されます。

    飲食店の時短要請に伴い「地方創生臨時交付金」を1.5兆円増額

    12月8日の閣議決定された経済対策の中で、感染拡大防止策として「地方創生臨時交付金」が1.5兆円増額されることが発表されました。

    地方創生臨時交付金の中に設けられた「協力要請推進枠」は、新型コロナウイルスの感染者が増えている自治体で、酒類を提供する飲食店またはカラオケ店の営業時間短縮要請に応じた店舗へ協力金として支払う財源となる予定です。

    時短要請が出されている地域は?

    12月11日現在、接待を伴う飲食店などに対し、営業時間短縮の要請が出されている自治体は以下の通りです。

  • 東京都23区、多摩地域
  • 埼玉県さいたま市大宮区、川口市、越谷市
  • 茨城県(国の指標で陽性者数がステージ3以上に相当する市町村)
  • 愛知県名古屋市中区栄、錦地区
  • 大阪府大阪市北区、中央区
  • 北海道札幌市すすきの地区
  • 群馬県太田市、伊勢崎市、桐生市、みどり市、館林市

    また、岐阜県でも営業時間短縮の要請が検討されているということです。

    対象・条件、申請方法は?

    営業時間短縮要請に伴う協力金の対象は、各自治体が定めた地区・区域にあるに酒類を提供する飲食店またはカラオケ店で、要請の開始日より前から営業活動を行っていて、要請された全期間において営業時間の短縮に協力した店舗となります。

    支給される協力金の金額は自治体によって異なり、また、支給への申請方法は現時点ではまだ詳細が定まっていません。

    申請に必要な書類や条件などについては、各自治体の公式サイトにてこれから公表される予定です。

    中小企業生産性革命推進事業(特別枠)の継続

    内閣府から発表された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」に「中小企業生産性革命推進事業(特別枠)」の記載があったことから、新しい経済対策の中で中小企業生産性革命推進事業(特別枠)が継続されることがわかりました。

    中小企業生産性革命推進事業の中には、販路開拓などの「持続化補助金」、設備導入の「ものづくり補助金」、IT導入の「IT導入補助金」が含まれており、合わせて3,000億円を超える事業となる見込みです。

  • ものづくり補助金
    新製品・新サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資などを支援
  • 持続化補助金
    公式サイトの作成・改良や店舗の改装、チラシの作成、広告掲載など、販路開拓などの取り組みを支援
  • IT導入補助金
    経理や総務などのバックオフィス業務の効率化や経営の見える化など、付加価値向上に繋がるITツールの導入を支援

Go To トラベル・Go To Eatキャンペーン、6月末まで延長

今回の追加経済対策の中で、2021年1月末までと限定されていたGo To トラベル事業を、感染状況を考慮しつつ制度を段階的に見直しながらも6月末まで延長することが発表されました。

また、同様にGo To Eat事業のプレミアム付き食事券も6月末を期限に、現在購入額の25%が上乗せされていますが、上乗せ割合を引き下げて追加発行するとしています。

感染拡大地域でのGo To トラベル事業を利用停止・自粛要請

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、現時点でGo To トラベル事業を利用停止・自粛要請を出している自治体もあるので、利用の際には注意が必要です。

現在Go To トラベル事業の利用停止や自粛要請が出されているのは北海道札幌市、大阪府大阪市、東京都の3つの自治体です。

各自治体で定められた期限内・条件でキャンセルの手続きをすれば、キャンセル料は無料となります。Go To トラベル事業の公式サイトで詳細を確認してください。

  1. 北海道札幌市
    札幌市を目的地とする旅行の新規予約についてGo Toトラベル事業適用一時停止(12月15日まで)
  2. 大阪府大阪市
    大阪市を目的地とする旅行の新規予約についてGo Toトラベル事業適用一時停止(12月15日まで)
  3. 東京都
    65歳以上の高齢者および基礎疾患のある方の、東京都発着のGo Toトラベル利用を自粛要請(12月17日まで)
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