青春出版社は『日本史を変えた「最後の○○」』(日本史深掘り講座/編)を、5月10日(水)に発売した。

本書は、歴史の大転換期ともいえる、各々の時代の終焉に登場した人々に焦点をあてる。歴史をより深く知りたい人にとって、注目の書といえるだろう。

時代の終焉に関わった13人の運命の結末に迫る

日本史の時代は、それぞれに始まりがあり、終わりがある。ところが、ややもすると時代を起こした人物に注目が集まり、時代の終焉に登場したり、それに関わった人物は、あまり注目されないという傾向がある。

しかし、日本の歴史を通観すると「最後の〇〇」が様々あり、そこには、学校の教科書では習うことはもとより、うかがい知ることもできないドラマや意外すぎるラストが遺されている。

この度発売された『日本史を変えた「最後の○○」』では、そんな「最後の〇〇」の内、鎌倉時代から明治時代までの13人に焦点をあて、時代の大転換期に登場した、あるいはそうせざるをえなかった最後の人物たちの運命の結末に迫る。

本書に登場する人物は、林忠崇・守邦親王・相馬主計・稲葉正邦・北条氏直・楢山佐渡・瀧山・尚泰王・公現法親王・酒井忠績・村上一族・徳川慶喜・陣幕の13人。

この内、一般的な教科書に登場するのは、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜くらいだろう。後北条氏最後の当主・北条氏直は、戦国時代ファンなら知っている人が多いかもしれない。しかし、その他の人々は、まさに知る人ぞ知る人物たち。ただ、それぞれが歴史の中で燦然と輝き、各々の時代の終焉に重要な役目を演じ、ドラマチックな人生を歩んだ人物たちだ。

本書の編者である日本史深掘り講座(にほんしふかぼりこうざ)は、これまで、日本史を中心テーマに執筆活動を続けてきたライターたちによって結成された。最新の研究成果をもとに、古代から近・現代まで日本の歴史を深く掘り下げ、様々なメディアを通じて、広く一般向けに発信している。

日本の歴史は勝者側の記録をもとに成り立つ傾向が強いとされる。それは、敗者側が残した記録が、勝者側により消去されたり、改ざんされることが多いからともいわれる。しかし、それは一方向から歴史をみることになり、そこに真実があるのかと疑問に思う歴史ファンは多いのでは。

『日本史を変えた「最後の○○」』に登場する13人の内、多くは敗者側に立っていた人たちだ。そうした人物たちの結末に迫る本書は、彼らを通じて歴史の裏を暴き、日本史の真実を探求する書として注目したい。

『日本史を変えた「最後の○○」』
編者:日本史深掘り講座
発行:青春出版社
発売日:販売中
定価:759円(税込)

(高野晃彰)