預金は元本割れがない点で安心だが、超低金利の今は銀行の預金口座にお金を預けっぱなしだと不利益を被ることも多い。

そこでこの記事では、銀行預金における4つのNG行為をご紹介する。

※この記事では便宜上、ゆうちょ銀行の「貯金」も「預金」で統一しています

1 普通預金口座にお金を預けっぱなしにする

普通預金口座にお金を預けっぱなしにするのはNGだ。

預入期間の定めがない普通預金口座は、現金の入出金や給与振込、公共料金等の引き落としには最適な口座だ。しかし、貯蓄の観点から見ると2つの大きなデメリットがある。

1:普通預金は金利が極めて低い

普通預金は金利が極めて低いことだ。

大半の銀行では普通預金金利(年利)が0.001%。100万円を1年間預けても利息は10円。そこから税金(20.315%)が引かれると利息は7円になる。

したがって、貯蓄用のお金は若干金利高めの定期預金や、預金よりリターンが大きい投資に回すのがベターだ。

2:普通預金に預けっぱなしだと貯蓄が増えにくい

普通預金口座に預けっぱなしでは貯蓄が増えにくいことも大きなデメリットの一つ。

人間は意思が弱い生き物だ。いつでもお金を引き出せる口座に必要以上にお金が入っていると、「まだ残高があるから」などと考えて、どんどんお金を使いがちだ。その結果貯蓄ができない人は意外と多い。

それを防ぐためには、毎月普通預金から一定額を取り分けて定期預金口座などに移し、最低限必要なお金だけ残してそのお金をやりくりする習慣をつけるべきだ。

2 貯蓄を全額定期預貯金口座に預けっぱなし

低金利の今は貯蓄を全額定期預金に預けっぱなしにするのもNGだ。その理由は2つある。

理由1:今は定期預金も超低金利

一般的な定期預金金利は0.002%と超低金利である。

仮に100万円を1年満期の定期預金に預けた場合、満期時の利息は20円。そこから税金を引くと利息はたった15円。運用による利益はないに等しい。

ただ、インターネットバンキングの定期預金金利は高めである。定期預金でお金を増やしたい場合はそちらにお金を預けるのが得策だろう。

理由2:お金の価値が下がれば定期預金のお金の価値も下がる

インフレなどでお金の価値が下がると、当然定期預金のお金の価値も下がる。

たとえば、車の購入費として200万円を定期預金に預けたとしよう。仮に満期時点でお金の価値が低ければ車の価格は高騰している可能性が高い。その結果、200万円と利息の合計額で買える車のランクが下がる可能性も出てくる。

それを考えると、預金よりも運用益が大きい投資で財産を増やすことも視野に入る。投資初心者なら元本割れのリスクが低いNISAやiDeCoから投資を始めるのがおすすめだ。

3 長期間入出金等がない状態で預金口座を放置する

長期間(10年以上)入出金等がない状態で預金口座を放置すると休眠口座となり、通常の方法では預金を引きだせなくなる。その状態をさらに放置すると、休眠預金等活用法に基づき預金が消滅する恐れもある。

そうなる前に、口座の所有者は以下の対応を行う必要がある。

休眠口座になる直前に行うべき対応

通常、金融機関は動きがない口座が休眠口座になる直前に、口座の所有者にその旨を連絡して解約などの手続きを求める。それに応じて口座の所有者が所定の手続きを行えば、自分の口座を休眠口座にせずに済む。

休眠口座になった後に行うべき対応

金融機関に氏名や住所変更の届出をしないまま口座を放置した場合、金融機関からの連絡は届かない。その場合は、知らないうちに自分の口座が休眠口座になる可能性が高い。

ただ、口座がある金融機関で所定の手続きを行えば預金が全額払い戻される可能性が高い ので、口座の放置に気づいた時点ですぐ金融機関に連絡しよう。

4 子どもの「名義預金」で貯蓄した通帳をプレゼントする

孫や子どもの名義で銀行口座を開設し、祖父母や両親が貯蓄するケースがある。孫や子どもが大人になった時、サプライズとして貯蓄した通帳をプレゼントするためなど目的は色々あろう。

しかしこの場合、孫や子どもの名義を借りた“名義預金”に該当する可能性がある。名義預金に該当すると、贈与税や相続税の対象になり、申告を忘れると無申告加算税などのペナルティーを課されることもある。

孫や子どもが大人になった時にサプライズでプレゼントしたい気持ちはわかるが、名義預金とされないためにも、孫や子どもに通帳の存在を明かし自由に使えるようにしておく必要があるのだ。

お金に対する正しい知識を

昔と異なり、超低金利の今は預金だけでは財産を増やせない。そのことを念頭に置き、預金と投資をバランスよく組み合わせて財産を増やしていくのがベストだ。お金に対する正しい知識を持てば、長期的にみて大きく得をする資産形成もできるだろう。NG行為に気をつけ、ぜひ戦略的に貯蓄に取り組んでいただきたい。

文・MONEY TIMES編集部