自社の商品に対する満足度や、顧客ニーズの把握のために、多くの企業がアンケート調査を行なっています。

しかし、質の高い回答を得るためには、集めた情報の分析やアンケートの謝礼などの作業コスト、費用コストがかかると感じている方も多いのではないでしょうか。

その課題を解決するためには、本番アンケートの前にスクリーニング調査の実施が有効な手段ですが、「スクリーニング調査とは何か」「どのように実施すればよいのか」を悩む人も多いようです。

本記事では、スクリーニング調査の解説と共に、実際に進めていく上での注意点、実例を解説していきます。

目次
スクリーニング調査とは
スクリーニング調査を行うメリット
スクリーニング調査を行うデメリット
スクリーニング調査で重要なことは?
スクリーニング調査に謝礼は必要?
スクリーニング調査でやってはいけないことや注意点は?
スクリーニング調査の事例
スクリーニング調査でその他意識するべきポイント
まとめ

スクリーニング調査とは

スクリーニング調査とは、プレ調査とも呼ばれるアンケート対象を選別するために行う事前調査のことです。

スクリーニングの意味は、英語のscreeningからきており、その意味を調べると「ふるい分け、審査、予備選考、適性審査」と記載されています。

ある事柄に対して事前に行う審査をスクリーニングと言うため、マーケティング用語としてのスクリーニング調査を分かりやすく捉えるなら、「本番アンケート前に行う事前調査」と考えるのがよいでしょう。

例えば、「30代のプログラマーで年収400万円以下の会社員の転職理由」をアンケートで調べたいとします。

その際にアンケートの回答者が、20代だったり、営業職だったりすると、本来集めたかったデータと異なり、アンケートの意味が薄れてしまいます。このような事態を避けるために、予めアンケートを行う対象を選別するための調査が、スクリーニング調査です。

スクリーニング調査を行うメリット

スクリーニング調査を行うメリットは2つあります。

● 本番アンケートの質が上がる
● 全体的な調査費用のコスト軽減が見込める

順番に解説します。

本番アンケートの質が上がる

スクリーニング調査を行うことで、適切な対象にアンケートを実施できるため、質の高いアンケート結果が得られます。

アンケートを一般対象者に向けて広く行ってしまうと、参加者が多くなる上に、本当に対象としたいターゲット以外からの不要な情報も集まりやすくなります。

多くの回答から必要な情報のみを抽出して、選別するにはかなりの時間を要するため、事前に余計な対象者を除いておけば、分析にかかる時間も短縮可能です。

また、アンケート対象を絞り込むことで、必要な質問をピンポイントで実施できるようになるためアンケート自体の質を向上できます。このように、スクリーニング調査を実施すれば、本番アンケートの質が高まります。

全体的な調査費用のコスト軽減が見込める

アンケートでは、対象者の貴重な時間を使って回答してもらうため、謝礼を支払うケースが多いでしょう。一般的に謝礼は、アンケートにかかる時間を目安に決まるため、回答にかかる時間により費用の増加が見込まれます。

スクリーニング調査を実施せずにアンケートを行うと、必要な情報を正確に集めていくために、質問数が増加したり、回答に時間がかかる質問を作ったりしがちです。結果、アンケート回答者への謝礼が増えて、調査費用のコストが増加します。

スクリーニング調査を実施すれば、本命の調査対象を見つけるために、まずは数分で終わるような簡単なアンケートのみを行えます。

その上で、本命の対象者のみに詳細なアンケートを依頼すれば、時間のかかるアンケートの回答者を削減できるため、全体の謝礼費用の削減が可能です。このように全体のコスト削減が見込めるのも、スクリーニング調査のメリットです。