Airain(エイラン)は、1934年に創業されたフランスの時計ブランド。名門ドダーヌ家により設立され、元々はMontres Airain(モントレ・エイラン)の名称で時計の製造を行っており、高品質なクロノグラフの製造で名を馳せた。

【30万円台でフライバッククロノを展開】50年代の名作クロノ“タイプ20”を忠実復刻した、エイラン(AIRAIN)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

全盛期と言えるのが1950年代から1960年代にかけてで、エイランは、ブレゲ、ドダーヌ、マテイ・ティソなどのブランドともにフランス国防省が使用するパイロット用クロノグラフ調達規格“タイプ20”のクロノグラフを製造するサプライヤーのひとつであった。

【30万円台でフライバッククロノを展開】50年代の名作クロノ“タイプ20”を忠実復刻した、エイラン(AIRAIN)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

上の写真は50年代のオリジナルモデル。フライバッククロノグラフ機能を備えていることのほか、ケースの直径が38mm、厚さ14mm、ブラックダイアルに夜光針、35時間以上のパワーリザーブ、日差±8秒の精度、300回以上のクロノグラフの作動 / 停止 / リセットに耐えられる堅牢性など、タイプ20は厳格な規定の基で製造が行われていたようだ。

その後もエイランはスー・マリナ、エイラン77といったダイバーズウォッチのシリーズも発表して実用時計ブランドとして支持を拡大していったが、紆余曲折を経て休眠状態となる。

【30万円台でフライバッククロノを展開】50年代の名作クロノ“タイプ20”を忠実復刻した、エイラン(AIRAIN)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

エイランが時計ブランドとして再始動を実現したのは2000年代のこと。2014年にエイランの姉妹会社であるル・ボワ・アンド・コーを再興したトム・ファン・ワイリックが、当時、エイランの権利を取得していたフランス人起業家兼時計愛好家から権利を取得し、現在は、タイプ20フライバッククロノグラフをアップデートしたコレクションを展開している。今回は、エイランのコレクションから3つの時計を紹介する。

【編集部の注目モデル】

Airain(エイラン)
タイプ20 ブラウンリミテッドエディション

【30万円台でフライバッククロノを展開】50年代の名作クロノ“タイプ20”を忠実復刻した、エイラン(AIRAIN)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

フライバック機能付きの手巻きコラムホイール クロノグラフやカウントダウンベゼルなど、1950 年代に製造されていたオリジナルのタイプ 20 をデザインと仕様の両面で細部に至るまで忠実に再現している限定モデル。

【30万円台でフライバッククロノを展開】50年代の名作クロノ“タイプ20”を忠実復刻した、エイラン(AIRAIN)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

アンティーク感を醸し出すドーム型のヘサライトクリスタル風防で保護された文字盤は、経年変化でブラックからブラウンにエイジングした色調を表現しており、50 年代のオリジナルと同じアラビアインデックスと、二つの インダイアルを配置。インデックスには手作業でスーパールミノバ が塗布されているが、こちらも文字盤と同じく日に焼けて退色した発光素材を思い起こさせるように慎重に色合いが調整されている。

【30万円台でフライバッククロノを展開】50年代の名作クロノ“タイプ20”を忠実復刻した、エイラン(AIRAIN)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

ケースサイズは堅牢性やバランスを考慮してオリジナルよりも1.5mm大きい、39.5mmとなっているが、魅力は損なわれていない。ムーヴメントはラ・ジュー・ペレ社と協力して開発したキャリバーAM1を搭載。手巻き式コラムホイール クロノグラフ、フライバック 機能、60時間のパワーリザーブを備えており、30万円前後の価格帯のクロノグラフ としては、驚くほどコストパフォーマンスの高い仕様であると言えるだろう。

【30万円台でフライバッククロノを展開】50年代の名作クロノ“タイプ20”を忠実復刻した、エイラン(AIRAIN)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

エイランの創業年である1934年を記念した134本限定製造で、販売価格は2314ユーロ(約33万円)だ。