私は免疫学者でも何でもないので専門的なご意見はありがたく頂戴しますが、結局はゼロコロナ政策こそが中国の最大のリスクではないかと思うのです。イアンブレマー氏が2022年の最大のリスクはゼロコロナと年初に指摘していたのですが、本当にそういうことになりそうです。

習近平氏はイデオロギーの塊です。一度決めたことを簡単に方向転換するタイプでもありません。とすれば現状の「白い紙」抗議運動程度ならスルーする可能性は高いと思います。つまり国民は解放されないとみています。仮にこの抗議がより過激に、そして死傷者を伴うような当局と住民との衝突が起きればこれも軍隊なりを動員してでも力づくで抑えてしまうでしょう。ですが、それは習近平氏が大変な危機との背中合わせになるとも言えます。

だいぶ前に私はこのブログで中国を変えられるのは誰か、ということを記しました。それは外交的圧力でもないし、経済制裁でもありません。中国国内の国民の蜂起、これが最大のリスクなのです。文化大革命の際の終わり方もドラマがかっていましたが、実質は内乱という大混乱を通して政権が変わります。

習近平氏はアリババも不動産会社もIT企業も学習塾も抑え込むことに成功しました。香港も実質的に取り込み、政敵も今はほとんどいません。台湾政策も虎視眈々と進めるでしょう。が、これは習氏が裸の王様になりつつあるともいえます。独裁化すればするほど国内の反発力は高まり、何かあれば大きな衝撃になりやすくなるともいえましょう。

あくまでも個人的考えですが、免疫という発想は大事だと思うのです。人間は個体を守る本来の力を皆、持っています。が、その本来持てる力を人々は均等に発揮できません。出来ない人のために治癒方法として現代医学が進化しました。よって弱い人はワクチンを打つことである程度緩和できるかもしれませんが、ワクチンは万能でもないし、副反応や更に悪い結果をもたらすこともあります。こうなると確率論に近い気がします。

本質的にはヒトが本来持つ治癒させたり環境適応したりする能力を自然に身に着けることがより重要ではないかと思います。その点、中国の無理やりの政治ショーのような対策は大変不自然でその歪は必ずどこかでしわ寄せがくるだろうと思います。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年11月30日の記事より転載させていただきました。