―スタッフ分析 ・非金融企業の信用の質は複数の業種で悪化の兆しがみられるが、概して堅調だった。社債をめぐる格上げは格下げとほぼ同じペースだったが、投資適格級に集中した。投機的各級では格下げが格上げを上回り、市場での2023年におけるデフォルト見通しは急速に高まった。 ・家計の信用の質は堅調で、住宅ローンの支払い延滞率は低下傾向にあり、住宅差し押さえの割合はパンデミック前の水準に近い。自動車ローンやクレジットカードの支払い延滞率は上昇段階にあるが、前者はパンデミック以前の水準近く、後者はパンデミック以前よりずっと低い水準にある。 ・非金融セクターのレバレッジは引き続き低下し、インタレスト・カバレッジ・レシオは引き続き上昇した。しかし、借入コストのさらなる上昇は、一部の借り手の債務返済能力に対してリスクをもたらす可能性がある。 ・金融セクターでは、今年のストレステストの結果、大手銀行は大幅な景気後退に対する回復力を維持していることが示されたが、ヘッジファンドやその他の非銀行金融機関ではレバレッジの上昇を示す指標も見られた。 ・短期資金調達市場は、引き続き構造的な脆弱性を抱えていた。国内銀行の資金調達リスクは依然として低いが、プライム・マネー・マーケット・ファンド、その他の現金投資ビークル、オープンエンド型投資信託、ステーブルコインはすべて、大規模な償還の影響を受けやすい状態が続いた。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2022年11月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。