金融市場動向と公開市場オペについて
・世界的に金融市場でボラティリティが上昇、9月は英国の減税策発表を受け英債利回りが急伸し、米国債の利回りも押し上げ。米国債でのインプライドボラティリティはコロナ禍の水準まで上昇。 ・為替市場ではドル高が加速し、市場関係者は一部のアジア諸国で自国通貨買い介入を観測。利上げを進める先進国において、市場関係者は利上げ幅鈍化の兆候を確認することに注力した。
・金融市場の動向と連邦準備制度の運用についていえば、オーバーナイト・リバース・レポ・ファシリティ(ON RRP)の利用は、四半期末前後の期間を除き、安定的に推移した。今後、ON RRPの残高と準備金の相対的な減少ペースは、金融市場の情勢に大きく左右される見通し。 ・ON RRP施設残高と金融市場金利の関係を含む足元の動向は、時間の経過とともにON RRP施設の利用を減少させるような状況の変化を示唆した。 ・しかし、12月に米財務省の納税があり米財務省の一般会計の残高が増えることや、年末のポジション調整など通常の要因により、年末に向けて金融市場の状況が多少早く変化する可能性がある。 ・このため、金融市場参加者は流動性の変化により敏感に反応し、来るべき時期に備えた計画を立てることが必要になる可能性あり。 ・足元のの市場相場は、年末の金利上昇圧力が限定的であることを示唆。 ・オフショアのドル資金調達市場では、ドル借り入れに伴うプレミアムは、例年の同様の時点よりも小幅に上昇した。 ・連邦準備銀行の純利益については、11の準備銀行が最新の統計リリースで総額63億ドルの繰延資産を計上し、支払利息の増加に起因する純利益のマイナスを反映している。他の多くの中央銀行も純利益のマイナスに直面した。