1994年に北米自由貿易協定を成立させてからはメキシコは米国とカナダとの関係に強い視線が向け、ラテンアメリカへの関心は薄いものになった。それをアムロは修正しようとしているが、アムロ自身が国際外交感覚に欠けている。大統領専用機も維持するのは高いものにつくといって売却しようとしたほどだ。今も買手は見つかっていない。米国と中国を訪問するのも民間航空を利用した。
また、これまでも外遊にはマルセロ・エブラルド外相をアムロの代理として送ったことが何度もあった。ルラが1月にブラジルの大統領に就任するまでラテンアメリカでアムロに代わるリーダー的存在になれる指導者はいなかった。
ルラのリーダーシップはCELACを媒体にところが、ルラがブラジルの大統領として再登場して来ると、ラテンアメリカ諸国の視線はルラに向けられるようになるはずだ。しかも、ブラジルは国家として経済力ではラテンアメリカでナンバーワンの国である。
ルラが大統領だった時のブラジルは世界を相手に外交を展開させていた。更に、ルラが今後望んでいるのは米国、カナダ、メキシコの貿易協定にブラジルも参加したい意向を示していることだ。
ルラは大統領になれば米国との関係の改善を図るはずだ。仮にそれができない場合はラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)を通してラテンアメリカのリーダーシップを握る意向を見せるはずである。
CELACは米国とカナダを敢えて除いたラテンアメリカとカリブ海諸国の発展を図るものである。米国とカナダが参加している米州機構(OAS)に対抗するものであり、CELACには中国が背後から応援している。