バイデン米大統領は9月18日、新型コロナウイルスの大流行は「終わった」との見解を示しました。

いっぽう米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)の分析によれば、世界における1日当たりの新型コロナウイルス新規感染者数は、北半球の冬季到来を受け、現在の1,670万人から、2023年2月までに約1,870万人と緩やかに増加すると予想されています。

また1日当たりの死者数は、現在の平均約1,660人から、2023年2月1日には2,748人に増加するとしています。

世界各国では入国規制や国内規制などの緩和が進み、特にヨーロッパや中東の多くの国は「ポストコロナ」「ウィズコロナ」に突入しています。

いっぽう「ダイナミックゼロコロナ」の方針を堅持する中国では、厳しいロックダウンが行われており、その異質な体制が顕著となっています。

ただし11月4日には、中国疾病予防抑制センターの疫学首席科学者を務めた曽光氏が、中国のダイナミックゼロコロナ政策に近く大きな変更が行われると明らかにしており、今後の動向が注目されます。

目次

【東アジア】日本や韓国で水際対策緩和も、中国ではダイナミックゼロコロナ堅持
日本 水際対策大幅緩和、個人旅行も解禁
韓国 日本など8か国・地域からのビザなし入国再開
中国 ダイナミックゼロコロナ堅持、世界初の吸入型ワクチン承認も
台湾 団体旅行客の受入れ再開
香港 マカオで3か月ぶり感染者確認、主要カジノ封鎖
【東南アジア】シンガポール、ワクチン接種有無に基づくコロナ対策を全廃
シンガポール ワクチン接種有無に基づくコロナ対策を全面撤廃
フィリピン 入国規制緩和、ワクチン未接種でも入国可能に
タイ タイ中銀、不動産と社債市場向け支援措置終了
インドネシア マスク着用義務を11月7日まで延長
【南アジア】印デリー準州、公共の場でのマスク着用義務撤廃
インド デリー準州、公共の場でのマスク着用義務撤廃
カンボジア 新型コロナ関連入国規制を全廃
【北・南米】米、日本への渡航注意レベルを最低の「レベル1」に引き下げ
アメリカ 日本への渡航注意レベル、最低の「レベル1」に引き下げ
カナダ ファイザー製新型コロナ・オミクロン株対応2価ワクチン承認
チリ 高リスク者対象にオミクロン型変異株対応の2価ワクチン接種開始
ペルー 緊急事態宣言解除、マスク着用は任意に
メキシコ 事業所への新型コロナ衛生指針発表、マスク着用は任意に
【ヨーロッパ】スペイン、新型コロナ関連の入国規制を全廃
スペイン 新型コロナ関連の入国規制を全廃
【東欧】ロシアで入国時のPCR陰性証明が不要に
ロシア 入国時のPCR陰性証明不要に
【アフリカ】アフリカ大陸のワクチン接種率、約20%にとどまる
モロッコ 空港でのPCR陰性証明書やワクチンパス提示が不要に
【WHO】新型コロナ「依然として世界的な緊急事態」

【東アジア】日本や韓国で水際対策緩和も、中国ではダイナミックゼロコロナ堅持

東アジアでは、日本や韓国、台湾で水際対策の緩和が相次ぐ一方、中国ではダイナミックゼロコロナ政策が堅持されています。

日本 水際対策大幅緩和、個人旅行も解禁

日本では10月11日、新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和されました。

1日当たり5万人とされていた入国数の上限が撤廃され、個人の外国人旅行者の入国も解禁されました。

発熱などの症状がなければ入国時の検査は行われず、入国後の自宅などでの待機も求められません。

ただしワクチン接種証明書か、滞在先の出発前72時間以内に受けた検査の陰性証明の提示を求める措置は、今後も継続されます。

韓国 日本など8か国・地域からのビザなし入国再開

韓国の中央災難安全対策本部は10月26日、「冬季新型コロナ追加接種拡大計画」を発表し、ワクチン接種対象を18歳以上の全員に拡大しました。

また韓国疾病管理庁は10月19日、日本、台湾、マカオなど8か国・地域からの入国について、11月1日からビザなしでの入国を再開すると発表しました。

中国 ダイナミックゼロコロナ堅持、世界初の吸入型ワクチン承認も

中国の防疫当局は10月13日、全体方針として「ダイナミックゼロコロナ」を揺ぎなく堅持することを強調し、共産党メディアも同方針を支持する主張を相次いで報じています。

いっぽう中国疾病予防抑制センターの疫学首席科学者を務めた曽光氏は11月4日、米シティが主催した会合で、ダイナミックゼロコロナ政策について近く大幅な変更が行われると明らかにしました。

同国では冬を前に感染拡大を封じ込めようと、中国各地で当局が施設閉鎖やロックダウンの延長などに動いています。

中国広東省広州市では10月30日、新規感染者数が500人を超え、一部企業の操業停止など防疫措置が強化されています。

同市は第20回広州国際汽車展覧会(広州モーターショー)を11月18~27日に控えており、感染拡大による影響が懸念されています。

武漢市では新型コロナウイルス対策が強化され、一部区域の封鎖などの措置が取られています。

米アップルのサプライヤーである台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業のiPhone工場を擁する中国河南省の工業団地「鄭州航空港経済総合実験区」では11月2日、新たなロックダウンを9日まで導入すると発表されました。

また中国では新型コロナウイルスワクチンの開発が進められており、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)は9月4日、同社が開発した吸入型新型コロナワクチン「コンビデシア・エア」の追加接種における緊急使用が国家薬品監督管理局に承認されたと発表しました。

吸入型新型コロナウイルスワクチンの使用が承認されるのは世界初とされており、上海市は10月25日、吸入型の新型コロナウイルスワクチンの接種を開始すると発表しました。

台湾 団体旅行客の受入れ再開

台湾では10月13日、新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、団体旅行客の受け入れが再開されました。

台湾交通部観光局は9月30日、海外医療保険への加入の推奨など、海外から台湾、台湾から海外への海外団体旅行時のガイドラインを公表しました。

香港 マカオで3か月ぶり感染者確認、主要カジノ封鎖

マカオ当局は10月31日、複数の新型コロナウイルス感染者数の確認を受けて、週末に主要カジノの一時封鎖などの厳格なコロナ対策を復活させました。

それまでマカオでは3か月以上、感染者が確認されていませんでした。

当局は10月30日にMGMチャイナ経営のコタイ地区のカジノを封鎖し、顧客と従業員に対し11月1日まで施設内に留まるよう指示したほか、マカオの70万人の住民は11月1日までにウイルス検査を受ける必要があります。

【東南アジア】シンガポール、ワクチン接種有無に基づくコロナ対策を全廃

東南アジアでは、シンガポールやフィリピンで新型コロナウイルス関連の規制が緩和されるなど、コロナ禍前の生活が戻りつつあります。

シンガポール ワクチン接種有無に基づくコロナ対策を全面撤廃

シンガポール政府は10月10日から、ワクチン接種の有無に基づく新型コロナウイルス対策を全廃しました。

ワクチンを接種していなくても、500人以上が参加するイベントへの参加や、ナイトクラブへの入店、飲食店での食事などが可能となりました。

ただしバスや鉄道など公共輸送、病院や介護施設では、引き続きマスク着用が義務付けられます。

フィリピン 入国規制緩和、ワクチン未接種でも入国可能に

フィリピン政府は入国規制を緩和し、新型コロナウイルスワクチン未接種者の入国を条件付きで可能としました。

未接種者は同国入国後、到着日から5日目に陰性証明を得るまで、検疫局が認める施設で隔離措置を受ける必要があります。

タイ タイ中銀、不動産と社債市場向け支援措置終了

タイ中央銀行は10月31日、新型コロナウイルス危機への対応として導入した、不動産向けと社債市場向けの支援措置を終了すると発表しました。

またタイ財務相は9月23日、マスクなどの関税免除措置を12月末まで延長しました。

またチャイルドシートの輸入関税も、2022年9月23日から2023年12月31日まで免除されます。

インドネシア マスク着用義務を11月7日まで延長

インドネシア政府は10月3日、新型コロナウイルス対策を11月7日まで延長し、国内全土で4段階中最も低い「レベル1」を維持するとしました。

レベル1では自宅外での常時マスク着用が必要となっており、必須分野・重要分野に該当しない業種ではワクチン接種済みの従業員のみ出勤率100%まで出勤できます。