北ホラント州のナールデンに続いて、フローニンゲン州の星型要塞ブールタングをご紹介します。ドイツと国境を接するブールタングは、オランダの軍事戦略上の要衝でした。要塞ではオランダ独立戦争や、ドイツ軍との攻防戦が繰り広げられました。
目次
ドイツとの国境を接する軍事上の要衝
18世紀の形に復元された星型要塞
ドイツとの国境を接する軍事上の要衝

(画像=『たびこふれ』より 引用)
ブールタング(Bourtange)はオランダ本土最北端のフローニンゲン州に位置し、その東側はドイツのニーダーザクセン州と境界を接しています。
軍事上の要衝ブールタングに星型要塞が築かれたのは、オランダ独立をかけた八十年戦争(1568-1648)のさなかでした。1593年、当時スペインの支配下にあった、ドイツとフローニンゲン州を結ぶ唯一の道路を封鎖するために、ウィレム1世(後のネーデルラント連邦共和国初代君主)が要塞建造を命じたのです。
スペイン軍やドイツ軍との攻防戦が繰り広げられたブールタング星型要塞で、最後の戦いが行われたのは1672年のことです。1851年には要塞としての役目を終え、長閑な村になりました。現在のブールダングには430人ほどの住民が暮らしています。

(画像=『たびこふれ』より 引用)
ブールタングと同様にドイツ国境地帯に位置するフルンロー(Groenlo)星型要塞が、八十年戦争でスペイン軍に包囲される様子が絵画に残されています。
18世紀の形に復元された星型要塞

(画像=<Photo:Vesting Bourtange>,『たびこふれ』より 引用)
1960年代になると、歴史的建造物の痛みが進んだことを理由に、ブールタング星型要塞の再築が決定されました。1967年から25年間をかけた大規模な修復工事で、ブールタング星型要塞は1740~1750年当時の姿を取り戻しました。現在は野外博物館として活用されています。