<トップ画像:Battersea Power Station © Charlie Round Turner>

テムズ河岸に立つ、4本の白い煙突が印象的な巨大なレンガ造りの建造物は、1930年代~80年代に操業していたバタシー発電所(Battersea Power Station)です。

ロンドンのランドマークのひとつとして写真や映像を見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。英国を代表するロックバンド、ピンク・フロイドが1977年に発表したアルバム、「アニマルズ」のジャケットに使われていたことでも有名です。

今回、約40年の時を経て2022年10月14日に総合商業施設としてオープンしたバタシー発電所についてご紹介します。

バタシー発電所とは?

【ロンドン】商業施設として再稼働!川辺の巨大なランドマーク、バタシー発電所
Battersea Power Station (画像=『たびこふれ』より 引用)

<Battersea Power Station © Jason Hawkes>

ロンドン南西部のワンズワース自治区に位置し、1933年から1983年まで稼働していた発電所です。

建物の設計は、ジャイルズ・ギルバート・スコット卿によるもの。スコット卿は、赤い電話ボックスや、現在はテート・モダン美術館となっている旧バンクサイド発電所の設計も手掛けた人物です。1929年より始まった発電所の建設は2つのステージに分けて行われ、「バタシーA」が1935年に完成。「バタシーB」は1944年に電力供給を開始した後、4本目の煙突の完成をもって1955年に建設が完了しています。

最盛期の電力供給量はロンドン全体の5分の1をも担い、国会議事堂やバッキンガム宮殿をはじめとする国の要所もその管轄に含まれていました。

【ロンドン】商業施設として再稼働!川辺の巨大なランドマーク、バタシー発電所
Battersea Power Station(画像=『たびこふれ』より 引用)

<Battersea Power Station- Power Station 2022 © John Sturrock>

発電所の建物は、1980年にヒストリック・イングランドよりグレードII 建築物の指定を受け、2007年にはグレードII* の指定建築物へとアップグレードされています。

バタシー発電所と周辺地区の再開発

【ロンドン】商業施設として再稼働!川辺の巨大なランドマーク、バタシー発電所
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<Battersea Power Station To Host Festival Of Power © John Sturrock>

発電所は1983年に操業停止。そこから、この巨大な建物と敷地の再開発案がいくつも廃案となった後、紆余曲折を経て2012年に現株主陣(SP Setia、Sime Darby Property、Employers Provident Fund)による発電所の購入が決定しています。複合商業・文化施設、居住区の創生に向け、建物と42ac(約17ha)にも及ぶ周辺地区の再開発が、ついに始動したのです。

2021年9月には、その一環として地下鉄ノーザン線の延長区間の駅、バタシー・パワー・ステーション駅がオープンしています。

【ロンドン】商業施設として再稼働!川辺の巨大なランドマーク、バタシー発電所
<地下鉄ノーザン線バタシー・パワー・ステーション駅>(画像=『たびこふれ』より 引用)