イタリアでは各地で盛んにワイン栽培が行われており、地域ごとに個性的なブドウ品種やワインが存在します。その中でもイタリア北西部のピエモンテ州はワインの一大生産地として知られ、所狭しとブドウが栽培される美しい丘陵地帯が広がることで有名。
なんとこちらのエリアは、2014年に「ピエモンテの葡萄畑の景観:ランゲ・ロエロ・モンフェッラート」として、ユネスコの世界遺産に登録されたほどです。
この記事では、世界遺産にもワインにも目がない私が、実際にランゲ・ロエロ・モンフェッラートを訪ねて、ワインセラー見学をした時の様子をご紹介いたします。
目次
1. 世界遺産「ランゲ・ロエロ・モンフェッラート」までのアクセス
2. ランゲが世界遺産に選ばれた理由
1. 世界遺産「ランゲ・ロエロ・モンフェッラート」までのアクセス

私が行ったワインセラーのあるニッツァ・モンフェッラート(Nizza Monferrato)という町は、ピエモンテ州のトリノから行くのが最も簡単なアクセスです。
トリノ・ポルタ・ヌオーヴァ(Torino Porta Nuova)駅からニッツァ・モンフェッラート駅までは、途中アスティ(Asti)駅での乗換えを挟みながら、約1時間10分の行程。
また、電車の本数は1時間に1本程度なので、なるべく事前に運行ダイヤを調べて計画的に行動するとよいでしょう。ダイヤはトレニタリアのホームページで検索できます。

同行者を含め私たちは、朝に出発してニッツァでランチを済ませ、ワインセラー見学の後、トリノには夕方くらいに戻ってきました。ということで、ニッツァは日帰り旅行にぴったりな町です。
2. ランゲが世界遺産に選ばれた理由
ランゲ・ロエロ・モンフェッラートは、2014年、イタリアにおける50番目のユネスコ世界遺産として登録されました。最近徐々に知名度が上がりつつある土地ですが、その歴史は非常に長く、ワイン栽培が始まったのは紀元前5世紀とも言われています。
長きに渡って庶民的な味のワインを生産してきましたが、18世紀頃から有力貴族を中心に積極的な品種改良や生産が進められました。そして現在は、バルバレスコ、バルベラ、バローロなどのイタリアを代表する品種を持ち、トスカーナ州やシチリア州などと並ぶワインの一大生産地に。
こうして連綿と引き継がれてきたワイン醸造の歴史と、丘陵地帯の美しい景観が文化として非常に重要であると評価され、世界遺産へ登録されるに至りました。