災害時には、本格的な救助や支援があるまでの数日間を悲惨な状況で耐えなければいけません。

もしその数日間に少量の食料だけでも届けられるなら、私たちは命を繋ぎ、希望を見出すことができるでしょう。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)に所属するロボット工学者ボクオン・クァク氏ら研究チームは、ポン菓子の翼をもつ「食べられるドローン」を開発しました。

このドローンはまるで絵本のヒーローのように、食料が必要な場所に飛んでいき自らが食料となって被災者たちを助けることができます。

この研究は、2022年10月23日から27日にかけて京都で開かれたロボット技術の国際学会「IROS 2022」で発表されました。

小型ドローンが孤立した被災者に食料を届ける

研究チームが開発した「食べられるドローン」は、被災地まで飛んでいき、自らを食料として与えることを目的としています。

まるで「アンパンマン」のように、“自分の体を分け与えて”困っている人を助けてくれるのです。

飛んできて自らを食料として与える「アンパンマン」
Credit:それいけ!アンパンマン【アニメ公式】(YouTube)_映画「アンパンマンが生まれた日」【アンパンマンアニメ公式】(2021)

しかし現実世界で、あえて自分を食料にする必要などあるのでしょうか?

実はこのドローン、大型の輸送機では満たせない一部の需要に対応するよう設計されています。

例えば、災害で交通インフラが大きなダメージを受けた場合、支援物資を届けるための輸送路を確保するのに時間がかかります。

また輸送機の数が限られている場合、より多くの被災者が集まっている場所が優先されるでしょう。

しかし孤立した少数の被災者にも、本格的な救助が始まるまでの数日間、食料などの助けは必要となるでしょう。

孤立した被災者に食料を届けるため、ドローンを利用する
Credit:Canva

小型ドローンは、そうした個々の小さな需要を満たすのにぴったりなのです。

ただし、従来の小型ドローンには限界があります。

ほとんどの配達用ドローンは重量の約30%しか荷物を運べず、効率が悪いのです。

そこで考案されたのが今回の「食べられるドローン」です。

ドローン自体を食べられる素材で作成することで、届けられる食料を重量の50%まで増加させることに成功しました。

では、この食べられるドローンはどのような食材で作られているのでしょうか?