しつこい残暑もようやく終わり、肌寒くなってきましたが、今年の夏はどれだけ「蚊」に悩まされたでしょうか?

蚊は、私たちの発する体温や体臭、それから二酸化炭素を感知して、どこまでも追ってきます。

その一方で、蚊に刺されやすい人、刺されにくい人がいるのも確かです。

世間ではよく「O型の人は刺されやすい」とか「汗をかいていると蚊が寄ってくる」と言われますが、これらには科学的な根拠がありません。

そこで米ロックフェラー大学(Rockefeller University)の研究チームは、皮膚マイクロバイオータ(微生物叢)に関連した体臭から、蚊が寄ってきやすい人の特徴を調査。

その結果、皮膚が分泌する「カルボン酸(carboxylic acid)」が、蚊を強く引き寄せる匂いを作り出していることがわかりました。

カルボン酸が多い人ほど、蚊へのモテ度が高いようです。

研究の詳細は、2022年10月18日付で科学雑誌『Cell』に掲載されています。

「蚊にモテるのは誰?」絶対に勝ち抜きたくないリーグ戦

今回の研究では、計64人の被験者をつのり、1日6時間、前腕部にナイロン製のストッキングを装着したまま生活してもらいました。

これを何日も繰り返して、ストッキングに各人の皮膚の匂いを染み込ませましたが、人が匂ってもその違いはわかりません。

その後、研究チームは、被験者の番号を付したストッキングのペアをランダムに作り、ラウンドロビン(総当たり)方式で、どの被験者の匂いが蚊に好かれるかを調べました。

要は、誰が一番蚊にモテるかを決定する総当たりリーグ戦です。

蚊に最もモテるのは誰かを実験
Credit: canva

具体的には、2本の管にわかれたプレキシガラス製の容器を用意し、それぞれ管の先に、ストッキングの入った箱を設置します。

そして、メイン容器の中に、ジカ熱、デング熱、黄熱病を媒介することで知られる「ネッタイシマカ(学名:Aedes aegypti)」を入れ、どちらのストッキングに向かって飛んでいくかを観察。

その結果、リーグ戦を勝ち抜いたのは、被験者33番で、他の追随を許さない圧倒的なモテ度を示していました。

被験者33番のストッキングは、2番目にモテた被験者の4倍、さらに、最もモテ度の低かった被験者19番の100倍も蚊を引き寄せていたのです。

被験者33番の異常なまでのモテ度は、何が原因なのか?

チームは、次にそれを解明することにしました。