私たちが常に使っている「舌」。

しゃべるとき、ものを食べるとき、常に意識しなくとも動き回っている舌には、実は知られざる側面がたくさんあるんです。

今回は私たちの生活に欠かすことのできない「舌」の秘密をご紹介していきます。

あなたは一体いくつご存知でしょうか?

目次
体の中でもっとも柔軟な筋肉が舌である
唾液がない状態だと舌は味を認識できない

体の中でもっとも柔軟な筋肉が舌である

知っているようで知らない舌に関する10の知識
(画像=舌を出す女性 / credit:フォトAC、『ナゾロジー』より引用)

体の部位の中でもやわらかい舌ですが、実はほとんど筋肉でできています。

呼吸、咀嚼、会話など、生活の中のあらゆる場面で動き回っている舌は体の中でもっとも柔軟な動きをする筋肉とされています。

多くの人が舌を丸めたり、上下左右に動かしたりできると思いますが、それほどなめらかに細かい動きを行える筋肉は体の中でも舌だけです。

舌は骨から独立して動く唯一の筋肉

知っているようで知らない舌に関する10の知識
(画像=ゾウの鼻は筋肉包骨格 / credit:Pixabay、『ナゾロジー』より引用)

人の体の中の多くの筋肉は骨に沿って存在し、骨と共に動きます。

関節をイメージするとわかりやすいでしょう。

しかし、舌は骨とは独立した筋肉で、筋肉の束が骨格のような役割をして動いています。

ゾウの鼻や、タコの足などと同じ構造で、こういった構造を「筋肉包骨格」といいます。

このような構造の筋肉は人間の体の中では舌しかありません。

肥満になると舌も太る?!

知っているようで知らない舌に関する10の知識
(画像=肥満男性 / credit:Pixabay、『ナゾロジー』より引用)

体が肥満になるといびきをかきやすくなると言われますが、これは舌が太ったことが原因です。

体が肥満状態になると舌にも脂肪がつき「太って」しまいます。

舌だけでなく、気道にも脂肪がついてしまって空気の通り道が狭くなる上、眠っているときは太った舌が喉方向に垂れ下がってきます。

このことがいびき、ひいては睡眠時無呼吸症候群などにつながってくるのです。

また、舌の力を表す「舌圧」は、全身の筋肉の強さと相関があると言われています。

年齢を重ねると共に運動する習慣がなくなり、筋肉減弱症(サルコペニア)となった高齢者の多くは舌圧も基準以下になるという調査結果もあります。

舌の力が弱いと咀嚼力も弱くなり、お肉のような硬いものが食べられなくなります。

その結果、タンパク質が足りなくなって筋肉量低下に繋がってしまうのです。

逆に舌の力が強ければ、タンパク質も問題なく摂取でき、筋肉量が増えて基礎代謝が上がることでより食欲も増加して健康的な好循環を生みます。

筋トレが流行っている昨今ですが、舌の筋肉もちゃんと鍛えて、いつまでも柔軟な動きができるようにしておきたいものですね。

ここまで、筋肉としての舌について意外な側面をご紹介しました。

次のページからは、舌のメイン機能の一つでもある「味覚」についてご紹介します。

実は「味覚」は舌に触れるだけでなく、ある条件が整わないと感じることができないというのです。

唾液がない状態だと舌は味を認識できない

知っているようで知らない舌に関する10の知識
(画像=舌で味わう / credit:Pixabay、『ナゾロジー』より引用)

舌は味を感じる器官だと認識している人は多いでしょう。

しかし、舌が直接食べ物に触れても実は味を感じることはできません。

味覚を感じる器官である味蕾は唾液に溶けた成分から味を感じ取っているからです。

試しに、ペーパータオルなどで唾液をふき取った状態で、食べ物を舌に当ててみてください。

おそらくほとんど味を感じないはずです。

そのあと、唾液で口の中を潤してから同じように食べ物を舌に当てると今後はしっかり味を感じます。

唾液は食べ物を分解するためのもの、と思われがちですが、舌に味を感じさせる役割も担っているのです。

味の感じ方は年齢によって異なる

知っているようで知らない舌に関する10の知識
(画像=子どもの舌 / credit:Pixabay、『ナゾロジー』より引用)

前述した味を感じるための器官である味蕾は高齢になるにつれ数が減少し、味を感じにくくなると言われています。

味蕾の数の減り方については諸説ありますが、加齢によって半数以下になるという報告もあるほどです。

また、幼い子どもは味蕾が多い上に舌が小さいため、味蕾が高密度に配置されることとなり、味に対して非常に敏感になっています。

子どもはピーマンなどの苦味に対して敏感ですが、これは年齢による味蕾の密度も関係しているようです。

逆に、高齢になると唾液の分泌量も減り、食べ物の成分が口の中に溶け出しにくくなるため余計に味を感じにくくなります。

このように高齢になるにつれ味の感じ方には変化があります。

しかし、実は味の感じ方はそもそもかなりの個人差があり、中には子どもでなくても「スーパーテイスター」と呼ばれる味に敏感な人々がいるのです。

4人に1人の才能!味に敏感な「スーパーテイスター」

知っているようで知らない舌に関する10の知識
(画像=credit:フォトAC、『ナゾロジー』より引用)

普通の人には感じられない味の成分まで感じることのできるスーパーテイスターは人口の1/4ほどと言われています。

スーパーテイスターは白人よりアジア人の方が多く、男性よりは女性の方が多いとされていますので、日本だと4人に1人より多い割合でスーパーテイスターがいるかもしれませんね。

スーパーテイスターの味覚で普通の人と異なる点は苦味成分の一つである6-n-プロピルチオウラシル(PROP)を味わえるかどうかです。

また味の感じ方が普通の人の3倍ほどの強さだと言います。

このため、多くのスーパーテイスターは苦味を感じる食品や味が強すぎると感じる食品が普通の人よりも多くなり「好き嫌いが多い」「わがまま」と捉えられることもあります。

しかし、スーパーテイスターだからこそ他の人にはない鋭敏な味覚を活かして、ソムリエやバリスタなどとして活躍できるというケースもあるのです。

子どもが料理の味について細かく文句を言うとついつい腹が立ってしまいますが「この子はスーパーテイスターかも?」と思うと少し見る目が変わるかもしれませんね。

味蕾は肉眼で見えるの?

知っているようで知らない舌に関する10の知識
(画像=虫メガネで見ている男性 / credit:Pixabay、『ナゾロジー』より引用)

ここまで味の認識に関して舌にある味蕾についていろいろな話をしてきたので、「自分にはどれくらい味蕾があるかな?」と鏡で自分の舌を見てしまった人もいるかもしれません。

しかし残念ながら、味蕾は肉眼で見える大きさではないのです。

舌にはぶつぶつした「乳頭」があり、それが味蕾だと勘違いされることが多いのですが、この乳頭1つ1つに数個~数百個の味蕾があります。

乳頭の中にある味蕾の数はかなりばらつきがあるため、つぶつぶがいっぱいあるから味蕾が多いとか味に対して敏感であるといったようには言い切れません。

しかし、鏡で舌を見てみると、実は意外なことがわかったりします。

それでは最後に舌の見た目に関するトリビアをご紹介していきましょう。