楽天ポイントの度重なる改悪が止まらない。楽天市場や楽天証券、楽天カードなど楽天グループのサービスを利用している人は、どう改悪されたのかをしっかり把握した上で対策すべきだろう。

楽天カードの還元率が改悪

かつて、「楽天ゴールドカード」(年会費税込2,200円)は通常のポイント還元率が1%、楽天市場で利用すると「+4倍」の合計5%還元になることがウリのクレジットカードだった。ところが、2021年4月以降、楽天市場の利用分のポイント還元率が「+2倍」(合計3%)に改悪され、年会費無料の「楽天カード」と同じ水準になってしまう。

その明らかな改悪と引き換えに「お誕生月サービス」が導入され、会員の誕生月には楽天市場と楽天ブックスの利用分のポイントが「+1倍」(1%分)加算されることになった。しかし、総合的にはやはり改悪というしかないだろう。

続いて2021年6月からは、公共料金(電気・ガス・水道)・税金(国税・都道府県税など)、国民年金保険料、Yahoo!公金支払いなどの「楽天カード」での支払いについて、それまで100円につき1ポイントが付与されていたところ、500円につき1ポイントの付与に変更された。実に5分の1に減らされてしまったのである。

クレジットカードでのポイ活では、公共料金の支払いは効率よくポイントを獲得できる手段であるだけに、この変更は大きな改悪といえる。

「楽天カード+楽天銀行」の加算ポイントが半分に

改悪はまだまだ続く。2022年4月からは、楽天市場でのポイント付与対象金額が税込価格から税抜価格に変更。「楽天カード」のクレジット利用分における通常ポイント(1%分)のポイント付与対象金額は税込価格だが、特典部分(「楽天カード」「楽天ゴールドカード」では1%分)は税抜価格となる。

これについて、変更された部分はざっくりとポイントが1割減ると考えていいだろう。かなり大きなマイナスだ。

2022年7月からは、楽天グループのポイントアッププログラム「SPU」が一部改定。これまでは、楽天カード発行のクレジットカード利用分の支払いを楽天銀行から行うと、楽天市場での利用分にカードの特典分のほか「+1倍」(1%分)が加算されていた。ところが、この改定で「+0.5倍」(0.5%分)に変更された。

その代わりに楽天銀行で給与・賞与・年金を受け取ると「+0.5倍」となり、合計で「+1倍」の仕組みが導入された。改定前はその条件をクリアせずとも「+1倍」だったのだから、改悪であることには違いない。

楽天証券のポイント還元率も改悪

楽天グループのポイ活では、楽天証券におけるポイント獲得もこれまで注目を集めてきた。しかし、ここでも改悪というしかない改定が立て続けに発表されている。3つの改定ポイントをそれぞれ紹介しよう。

投信積立の楽天カード決済分のポイント還元率変更

投信積立を楽天カード発行クレジットカードで決済した場合、以前は1%のポイント還元率だった。2022年4月からは一部銘柄(楽天証券が受け取る代行手数料が年率税込0.4%以上の銘柄)のみ1%のポイント還元となり、それ以外は0.2%となる。ただし、オンライン電子マネー「楽天キャッシュ」にいったんチャージした上でそこから決済すると、全ての銘柄が0.5%還元となる。

「投資信託資産形成ポイント」のポイント進呈率の変更

以前は、「投資信託資産形成ポイント」として、投資信託に一定の残高を保有しているとポイントが付与されていた。しかし、2022年4月からは一定の残高を初めて達成した場合にポイントが進呈される形となった。

例えば、初めて10万円に達したときには10ポイント、30万円に達したときには30ポイント、50万円に達したときには50ポイント……というように達成額に応じてポイント進呈数が上がっていくことになるが、ポイント進呈は各残高額に最初に到達したときの1回限りとなる。そこで、一定以上の残高を維持するだけでポイントが進呈され続けた以前の仕組みに比べると改悪といえる。

マネーブリッジにおける普通預金金利の優遇金利の改定

これはポイントの話ではないが、合わせて紹介しておく。マネーブリッジとは、楽天証券と楽天銀行の口座を連携させるサービスのこと。利用者には普通預金金利に上乗せ金利を加えた優遇金利が適用されるが、これもまた2022年4月に改定された。

以前は、普通預金残高に関係なく一律で年0.10%(税引後年0.079%)の優遇金利が適用されていた。しかし、改定後は普通預金残高300万円以下の部分にのみ、これまでと同じ年0.10%の優遇金利が適用され、300万円を超える部分には年0.04%(税引後年0.031%)の金利が適用されることになった。

楽天カードから乗り換えるなら?

以上の度重なる改悪により、ポイ活をしやすい楽天ポイントのイメージが崩れつつある。クレジットカードでいえば、「楽天カード」は楽天市場では今なおメリットも多いが、さらなる改悪に備えて別の選択肢も用意しておきたい。

「楽天カード」に代わる選択肢の1つが、「Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)」だ。このカードは年会費無料で、クレジット決済のポイント還元率は「楽天カード」と同じ1%。現在の「楽天カード」と違い、この還元率は公共料金の支払い分にも適用される。

このカードで楽天市場を利用する場合は、オリコモールを経由すると通常のクレジット利用ポイントに加え、オリコモール利用ポイント(楽天市場)0.5%分、特別加算ポイント0.5%分で2%還元に。楽天市場自体のポイント1%分が加わり、合計で3%となる。

なお、入会後6ヵ月間はクレジット決済のポイント還元率が2%になるので、その期間のオリコモール経由の楽天市場利用分は楽天市場自体のポイントも合わせて合計で4%になる。

「楽天カード」では、ポイントアッププログラム「SPU」の仕組みとして楽天グループの利用によりポイントアップされる仕組みがあるので、楽天市場の利用は依然として他社カードよりもお得といえる。

しかし、今後のさらなる改悪に備えるとともに、オリコモール経由での他社ネットショップ・モール(Amazon、Yahoo!ショッピングなど)でもポイントアップが適用されることも踏まえ、「Orico Card THE POINT」はおすすめできる1枚といっていいだろう。

ポイント周りが充実したSBI証券

楽天証券の乗り換え先として脚光を浴びているのがSBI証券だ。

SBI証券の「投信お引越しプログラム」は、他社に支払った出庫手数料(投資信託の移管手数料)が全額キャッシュバックされる仕組み。これにより証券会社乗り換えの経済的負担はなくなる。

SBI証券では、三井住友カード発行クレジットカードによる投資信託の積立により、カード券種によって積立額の0.5~2%分のポイントが付与される(上限は月間最大1,000円相当/年間最大1万2,000円相当)。

SBI証券のさまざまな取引でポイントを獲得でき、「Tポイント」「Pontaポイント」「dポイント」から選んでポイントをためることが可能だ。

ここに紹介した以外にも、楽天グループの度重なるポイント改悪を機と見て、乗り換え先となるようにポイント周りの改善を図ってくる競合他社が現れてきそうだ。ポイント還元率の差は、長い目で見ると大きな差となってくる。よく考えて乗り換えを検討してみてはどうだろうか。

文・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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